「琴葉、大丈夫か」

俺は我を忘れて、琴葉の手を握った。

「急に琴葉を感じ取れなくなって焦ったよ」

「霊体さん?」

俺はしまったと言う表情を露わにしてしまった。

「もう、バレバレですよ、だって全くの別人なんですもん」

取り繕うことは出来ないと観念した。

「教えてください、黄泉の国って死なないと行けないんですか」

「うん、そうらしい」

「もう、驍は黄泉の国へ行ったんですか」

俺はどう答えればいいか迷っていた、正体を明かしてはいけないと死神から言われていた。

「残念だけど、黄泉の国へ行くことは変えられないとのことだ」

「霊体さんも行くんですか、黄泉の国」

「ああ」

「それなら、私も連れて行ってください」

俺は琴葉の言葉に驚きを隠せなかった。

「黄泉の国って、生きてる人間はいけないんだよ」

「やっぱりそうなんですね」

「とにかく、ゆっくり休んで」

「はい」

この時まさか、琴葉が死を決意していたなんて思っても見ない事だった。