「……夕鶴……」


 隼理くんが一瞬唇を離した。
 そのときに私の名前を呼んだ。


「……聞かせて」


 え……?


「夕鶴の可愛い声」


 えっ。


「なんで我慢してるの」


 しゅっ……隼理くんっ。

 バレているっ。

 出そうに……なる……声を……。
 我慢……していることを……。


「我慢しなくてもいいのに」


 えぇっ⁉


「俺は夕鶴の可愛い声をたくさん聞きたい」


 しゅっ……隼理くんっ。
 そんな無理を言わないでっ。

 ……出そう……になる声。
 それを隼理くんに聞かれることは……。
 すごく、ものすごく恥ずかしいから……。


「夕鶴……」


 隼理くんは私の名前を呼び、再び私の胸に何度も唇を当てた。



 少し経って。
 突然、隼理くんは動きを止めた。

 隼理くんは私の胸の中に顔をうずめたまま。


「……夕鶴……」


 その状態のまま隼理くんは私の名前を呼んだ。


「なぁに、隼理くん」


「……俺にも」


「え?」


「俺にもして」


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