今日から、ちょうど一週間前。


 その日も隼理くんの部屋にいた。

 そのとき隼理くんは。
『来週は土曜日の朝からじゃなくて、
 金曜日の夕方から部屋に来てほしい』
 と言ってくれた。


 初めて隼理くんの部屋に泊まるのは。
 すごく緊張してドキドキしている。

 そして。
 それと同時にわくわくもしている。



 ……ただ。
 一つだけ罪悪感が。

 それは……。
 そのことを家族には内緒にしているということ。
 家族には友達の家に泊まると言っている。
 そのことは申し訳ないという気持ちになった。


 隼理くんも、そのことに関しては。
 私の家族に申し訳ないことをしていると気にしていた。

 私の家族に申し訳ないと思う気持ち。
 私と夜も一緒に過ごしたいという気持ち。
 隼理くんは、それらの気持ちに挟まれ葛藤していた。

 葛藤し続けた結果。
 隼理くんは、私と一緒に夜も過ごすことを選んだ。


 だけど……。

 隼理くんは真面目な人。
 そして誠実な人。

 だから選んだ後も。
『本当に、この選択でよかったのだろうか。
 でも、夕鶴と一緒に夜も過ごしたかったし』
 と言って悩んでいた。

 そんな隼理くんのことを見ていると気の毒だと思った。


 でも。
 それと同時に。
 少しだけ嬉しい気持ちにもなった。

 悩んでくれているということは。
 私の家族にも誠実に向き合ってくれているということ。



 そんな隼理くんに『私の家族のことも気遣ってくれて、ありがとう』と言った。

 その後、私は隼理くんにぎゅっと抱きついた。