「隼理くん……?」


「ありがとう、夕鶴」


「隼理くん……」


 温かい……。

 私……。
 すごく幸せ……。

 隼理くんの温かさに包まれている。
 それはとても幸せ。

 これからも、ずっとずっと隼理くんと一緒にいたい。

 私はそう思いながら隼理くんの腕の中に……。


 隼理くんが私のことをぎゅっと抱きしめる。

 …………。

 やっぱり。
 やっぱり慣れそうにない。

 今までに何度も隼理くんに抱きしめられているのに。
 今も変わらず、こんなにもドキドキしている。

 ドキドキし過ぎて。
 それが隼理くんに伝わってしまいそう。


「……夕鶴……ドキドキしてる?」


 ……‼

 やっぱり隼理くんに気付かれているっ?


 こういうとき。
 どういうふうに返答すればいいのだろう。


 正直に『ドキドキしてる』と言えばいいのだろうか。


 でも。
 正直にそう言うのも。
 なんだか恥ずかしい。


「……やばい……
 俺……今、すごくドキドキし過ぎて、どうにかなりそう……」


 えっ⁉
 隼理くんもっ?


「……夕鶴は……?
 夕鶴は俺にドキドキしてくれてる……?」


 そんなの、当たり前だよ。


「……うん……」


 素直にそう返事をすることは。
 ものすごく恥ずかしいけれど。
 小さく頷きながらそう返事をした。