入浴を終え。
 身支度も済ませた。

 あとは出かけるばかり。


 ただ。
 まだ少しだけ時間があったので。
 隼理くんと一緒にソファーに座ってテレビを観ていた。


「そういえば」


 そのとき。
 隼理くんが声をかけた。


「ライブの打ち合わせ、どこでするの」


 テレビの画面を観ながらそう訊いた、隼理くん。


「学校だよ」


 そう返答すると。


「じゃあ、適当なところまで送ってくよ」


 テレビの画面を観ていた隼理くんが。
 私の方を向いてそう言った。


 すごく嬉しい。
 隼理くんがそう言ってくれて。


「……でも……」


 少しだけ。


「大丈夫かな」


 心配で。


「なにが」


「もし誰かに見られたら……」


 そう思うと……。


「そこは大丈夫だろ」


 私と二人でいるときは、だいたい甘えた言い方だけど。
 いざというときの隼理くんの言葉と口調は。
 堂々としていて説得力もあり、とても頼りになる。

 だから。


「隼理くんがそう言ってくれるのなら……。
 ありがとう、隼理くん」


 隼理くんのお言葉に甘えて送ってもらうことにした。



「隼理くん、今から親に今日も泊まっていいかの確認の電話をするね」


 隼理くんにそう言って。
 私は親に電話をする。