「パンの焼き具合、これくらいでいい?」


「ああ、サンキュー」


 こんがりときつね色に焼けたトースト。


 それを受け取った隼理くんは。
 マーガリンをなめらかにぬった。

 私も隼理くんと同じでマーガリンをぬる。



「「いただきます」」


 コンパクトな二人用のダイニングテーブル。
 私と隼理くんは向かい合って座って。
 平日より遅めの朝ごはんを食べ始める。


 隼理くんと一緒に食べる朝ごはん。
 食べているものは、いつも食べているものと変わらないのだけど。
 いつもよりも美味しく感じる。


 こういう時間。
 すごく好き。

 穏やかで。
 心地良い。

 こんな時間。
 ずっと続いてほしい。



「ごちそうさま、すごく美味かった」


 食べ終えて。
 笑顔でそう言ってくれた、隼理くん。

 残さず全部食べてくれた。
 そのことがすごく嬉しい。



「洗い物はそのままでいいから。
 後で洗う」


「ありがとう」


 隼理くんがそう言ってくれたので。
 お言葉に甘えてそうさせてもらうことにした。



 それから少し経って。


「隼理くん、お風呂借りるね」


 そろそろお風呂に入ろうと思い。
 隼理くんに一言声をかけた。


「ああ」


 隼理くんは快く返事をしてくれた。


 隼理くんの返事を聞いて。
 私は浴室の方へ……。


 ……⁉


 えっ⁉