「着せて」


「え……?」


「服着せて」


「……⁉ 隼理くんっ⁉」


 いっ……一体何を……⁉


「夕鶴が服を着せてくれたら朝ごはん食べる」


 えっ……えぇっ⁉


「しゅっ……隼理くん何を言って……っ」


「夕鶴が服を着せてくれないのなら朝ごはん食べない」


 しゅっ……隼理くんっ⁉


 拗ねているっ。
 隼理くんの言い方がっ。

 これは。
 冗談で言っている感じではないっ。


「……っ、わっ……わかった。服着せるから一緒に朝ごはん食べてくれる?」


 隼理くんと一緒に朝ごはんを食べるには。
 そうするしかないと思い。
 半ば諦めのような感じでそう言った。


「もちろん」


 隼理くんは軽やかにそう言った。



 隼理くんのことを見ていて思う。


 教師をしているときの隼理くんと。
 私と一緒にいるときの隼理くんは。
 全くといっていいほど正反対。

 私と一緒にいるときの隼理くんは。
 ものすごく甘えん坊。
 といってもいいくらいの甘えっぷり。


 その甘えっぷりに。
 いつも困惑するし。
 ……ドキドキもしている。


 だから、今も……。