隼理くん……。


 私だって隼理くんと一緒にいたい。

 だけど……。


「……隼理くん……」


 私は。


「うん?」


 隼理くんへの想いとは意味は違うけれど。


「あのね、そろそろベッドから出ないと
 間に合わなくなっちゃうから」


 バンドメンバーも。


「どこに?」


 大切な人たちだから。


「クリスマスライブの打ち合わせ」


 バンド仲間として。

 そして。

 友達として。


「だから……」


「…………」


 え……。

 隼理くん……?

 まさかの無言……?



 ……と思ったけれど。

 こういうときの隼理くんの無言。

 あり得るかな……。


「……隼理くん……?」


 そう思いながら隼理くんの名前を呼んだ。


 けれど。


「…………」


 まだ無言。


 なので。


「隼理くーん」


 もう一度、隼理くんの名前を呼んだ。