月日が経つのは、あっという間。

 今日は卒業式。


 いろいろあった。
 この三年間。

 瞼を閉じれば。
 スッと浮かんでくる。

 楽しかったこと。
 嬉しかったこと。
 そして。
 辛かったこと。
 苦しかったこと。

 だけど。
 これらの記憶は。
 今となっては全てが思い出。

 思い出は。
 決して良いことばかりではない。

 けれど。
 そうではないことも。
 学べることがたくさんあり。
 結果、次へと向かう力となる。

 だから。
 人生の勉強という意味でも。
 いろいろ経験ができたからよかったのかもしれない。
 今となっては、そう思うことができる。


 そう思うことができたのも。
 家族や友人。
 そして隼理くん。
 みんなの存在が。
 私に力を与えてくれた。
 そのおかげで今の私がいる。

 本当に感謝しかない。
 本当にありがとう。


 * * *


 卒業式は無事に終了した。


 今は。
 その余韻に浸るように。
 みんなで会話をしたり写真を撮ったりしている。

 そのあとは。
 クラスの友達と会食をする約束をしている。



 ある程度、話をして。
 寂しい気持ちを残しながらも。
 私たちは学校を出た。

 その瞬間。
 これで高校生活も終わり。
 そう思うと。
 何とも言えないような気持ち。
 寂しいだけではない。
 何か別の気持ちも含んだような。
 そんな気持ちに包まれた。


 だけど。
 その気持ちも。
 友達と一緒にいると和らいでくれる。

 今、私とクラスの友達はファミリーレストランにいる。

 場所は学校から十分ほど歩いたところ。

 そこで私たちは高校生活での思い出話やこれからのこと。
 そして……恋バナなど。
 いろいろな話に花を咲かせた。


 ファミリーレストランを出たあとは。
 カラオケボックスに行き。
 思いきり歌を歌った。


 解散する時間になっても。
 私たちは別れを惜しんで、なかなか帰ることができない。

 だけど「また会おうね」と言い合って。
 その場はなんとか解散した。



 夜には家族と外食をした。



 友達。
 そして家族。

 今日も新たな思い出ができた。