それからしばらくして。
 芦達先生が住んでいるマンションに着いた。


 十階建てのマンション。

 芦達先生は五階の三号室に住んでいる、らしい。


 エレベーターで五階まで上り。
 三号室の芦達先生の部屋の前まで来た。


 隼理くんがインターホンを押す。


 インターホンのスピーカーから。
『すぐ行きます』
 芦達先生の声が聞こえた。


 言葉通り、すぐに玄関のドアが開き。


「飛鷹先生、神城さん、
 わざわざお越しくださってありがとうございます」


 ものすごく丁寧な対応をしてくれている芦達先生。


「どうぞ中へ」


 芦達先生のその言葉で。


「失礼します」


 私と隼理くんは部屋の中へ入り、リビングへ。


 そしてリビングの中へ入ると―――。


 ……?


 ソファーに誰か座っている。


 その人は。
 私と同じくらいの年齢の女の子。

 俯いているからか。
 大人しく見える。

 髪は長めでサラサラのストレートヘア。

 そしてアニメから出てきたような美少女。


 そんな美少女が。
 芦達先生の部屋にいる。

 この美少女は。
 芦達先生とどういう関係なのだろう。

 もしかして。
 芦達先生の彼女?



「栗原?」


 そう思っていると。
 隼理くんがその美少女のことをそう呼んだ。