私と隼理くんは。
 体育館の舞台を降り。
 シンと静まり返ったままの生徒たちの横を通り体育館から出た。


 そのとき。
 夏の強い日差しが。
 一気に視界に入り込んできた。

 それは、とても眩しく。
 一瞬、目を開けることが難しかった。


 目が少し慣れた頃。
 そのときには校舎に入っていた。

 そのまま向かった先は。
 校長室。

 校長室に入ったのが。
 隼理くんだけではなく私も一緒だから。
 校長先生はとても驚いていた。

 ……それに。
 まだ手は握り合ったままだったから。

 私も隼理くんも、それに気付き。
 そっと手を離した。

 そのあと。
 隼理くんはすぐに本題に入り。
 私とのこと。
 教師を辞めること。
 それらのことを校長先生に伝えた。

 隼理くんの話を聞いた校長先生は。
 ものすごく驚いていた。

 隼理くんが教師を辞めること。
 それは考え直してほしい。
 校長先生はそう言った。

 校長先生の言葉を聞いた隼理くんは。
『大変ありがたいお言葉ですが』と言い。
 でも、やっぱり意思は変わらないということを伝えた。

 隼理くんの意志の強さを感じた校長先生は。
 隼理くんの願いを受け入れた。


 校長室を出た、私と隼理くん。

 その瞬間から。
 私と隼理くんは。
 新たな未来へ向かって歩き始めていた。