「……聖志……」


「うん?」


「聖志に伝えることが……」


 緊張が。
 高まってきた。


「伝えること?」


 それはなんだろう。

 そういう表情で私のことを見ている聖志。


「……うん。
 あのね……」


 聖志に伝えること。

 それは……。


「……できた……の……」


「できた……?」


「……赤ちゃん……」


 私のお腹の中には。
 私と聖志の赤ちゃんが。


「……ほんと……?
 遥稀のお腹の中に俺と遥稀の赤ちゃんが……」


「うん」


「やったぁ‼
 俺と遥稀の赤ちゃん‼
 俺たち親になるんだな‼」


 聖志が喜んでいる。

 そんな聖志のことを見ていると嬉しくて幸せな気持ちになる。


「遥稀、
 これからもよろしく」


「私の方こそ、
 これからもよろしくね」


 お互いに『よろしく』と言って。
 私と聖志はそっと抱きしめ合った。



 聖志との新たな生活。

 聖志の妻。
 そして母として。
 これからどんなことが待っているのか。

 そのことを考えると、わくわくが止まらない。


「愛してる、遥稀」


「私も。
 愛してる、聖志」


 そして。
 これからも。
 ずっと。
 ずっとずっと。
 聖志との幸せな日々が続きますように。


「俺、すげぇ幸せ」


「私も。
 すごく幸せ」


 そう。
 これからも。
 共に。





 *end*