「……好……き……」


 勇気を出して。


「……私も……
 松尾のことが……好き……」


 激しい。
 心臓の音。


 静か過ぎるくらいの部屋。
 その空間に響き渡りそうで。


「……遥稀……」


 真っ直ぐに見つめる松尾の瞳は。
 私の姿をしっかりととらえている。

 その瞳に見つめられる。
 それだけで恥ずかしさが加速し、顔中に熱が集まってくる。


「嬉しい。
 遥稀も俺のことを好きでいてくれて」


 ……‼


 まっ……松尾っ。

 私の気持ちをわざわざ言葉にしないでっ。

 ものすごく恥ずかしいからっ。


「遥稀」


 私の名前を呼ぶ甘い声。

 向けられる視線は。
 やさしく甘く、そして熱と色気を含む。

 それから。
 やさしく頬を撫でる手。


 それらは。
 私のことを……愛おしい……という気持ちが溢れているようで。



 松尾の顔が。
 少しずつ近づいてくる。


 さらに高鳴る。
 胸の鼓動。


 松尾の唇が。
 やさしく触れる。

 それは、すぐに深くなり。


 お互い呼吸を乱しながら。
 激しく絡み合う。


 お互いの髪をかき乱し。
 身も心も乱れていく。