「まっ……まっ……まっ……‼」
驚き過ぎて声がうまく出せなかった。
「柚翔? どうしたの?
また『ま、ま、ま』って言って。
私、柚翔のママじゃないよ」
真彩はクスクス笑いながらそう言った。
だけど、やっぱり驚きを隠せなかった。
真彩が男装を趣味としているなんて……。
初めて知ったから。
「ま……真彩……本当……?」
「本当って?」
「本当に男装が趣味なの……?」
「うん、そうだよ」
真彩はそう言うと、スマホを取り出した。
「私も保存しているの、画像を。
ねぇ、これ見て」
そして真彩はスマホの画面を俺に見せた。
そこには美少年に写っている真彩の男装姿が。
「すごい美少年……」
俺は無意識にそう口にしていた。
「本当?
柚翔にそう言ってもらえて、すごく嬉しい」
真彩は無邪気な笑顔でそう言った。
そのとき思っていた。
俺が女装を趣味としている。
それと同じで、真彩も男装が趣味。
それって共通の趣味がある感じがして。
ものすごく嬉しい。
だけど。
真彩も男装の趣味があるのなら、もっと早く言ってくれればよかったのに。
って。
俺も人のことは言えないか。
俺も女装を趣味としている。
そのことを真彩に言っていなかったのだから。
真彩も俺と同じで男装が趣味ということを隠し続けようとしていたのかもしれない。
だけど俺が女装を趣味としていることを知って。
真彩も男装が趣味ということを話そうと思ったのかもしれない。
「あっ、そうだ」
そう思っているとき。
突然、真彩が何かを思いついたように言った。
「こういうのは、どう?」
……?
「こういうの……?」