僕の趣味




「え……」


 スマホに保存している画像を見た瞬間。
 真彩は驚いて固まってしまった。


「ねぇ、この女の人……」


 もう気付いてしまったのかもしれない、真彩は。


「柚翔……に似てるけど……もしかして……」


 やっぱり。


「……柚翔……なの……?」


 真彩に気付かれてしまっている。



 こうなってしまった以上。
 話さなくてはいけない、真彩に。


「……真彩……」


 だから。


「俺……」


 勇気を出して。


「真彩に……隠して……いる……ことが……ある……」


 真彩に。


「隠していること……?」


 俺の趣味を。


「うん」


 正直に話すことにする。



「……俺……実は……」


 真彩に正直に言うという緊張で震えそうになる声を抑えながら。


「……趣味で……女装……を……して……いる……んだ……」


 言葉が途切れ途切れになりながらも。
 なんとか真彩に正直に伝えることができた。

 あとは、真彩がどういう返答をするか。



「……柚翔……」


 真彩……。


 たぶんドン引きするだろうな。

 しかたがないか。


 最悪、別れ話を切り出されるかもしれない。


 真彩のこと、すごく好きなのに。

 それなのに、辛いな。


 別れたくない。

 別れたくない、真彩と。


 言いたい。

 真彩に別れたくないと。


 確かに、まだ真彩に別れ話を切り出されたわけではない。

 けれど、そうなるだろう。


 嫌だ。

 嫌だよ‼ 真彩‼

 俺は真彩と別れたくない‼