「浮気してるの?」


 やっぱり‼

 やっぱり真彩は誤解している‼


「ねぇ、そうなんでしょ」


『違うんだ‼ 真彩‼
 俺が口紅を持っている理由は……‼』

 と、心の中で叫んでいても。
 どうにもならない。

 だけど叫ばずにはいられなかった。


「誰よ」


 え……⁉


「その女は、どこの誰⁉」


『違うんだ‼ 真彩‼』

 と、いくら心の中で叫んでいても真彩に通じるわけがない。

 一体どうすれば……‼


「なんでいつまでも黙ってるのよ‼
 黙ってるってことは図星なのね⁉」


 それは決して違う‼
 俺は浮気なんかしていない‼

 そう言いたいのに。
 頭の中がパニックになり過ぎて声が出てこない。


「ちょっと見せて」


 え……⁉


「スマホ、見せなさいよ」


 えっ⁉ えっ⁉ えっ⁉


「浮気相手の女の画像でもあるんでしょ」


 真彩はそう言って俺のスマホを取り上げた。


 違う‼
 浮気はしていない‼
 神に誓ってしていない‼

 そう思いながらも。
 スマホに保存してある画像を真彩に見られる。
 それは、ものすごく困る。

 なぜなら、スマホに保存している画像には―――。