「予定?ああ、うん。あるある」
真っ直ぐ家に帰って、この間買った漫画の新刊を読むという予定が。
もしくは、中々消化しきれていない録画をぶっ通しで観るという予定が。
返事は適当だったが、よく考えてみたら私にだってやりたいことがたくさんある。
「嘘だ!瀬戸さんの放課後に、僕と幽霊探しに行く以外の予定があるわけない」
あれもしたいこれもしたいと考えていた私の耳に、聞き捨てならないセリフが飛び込んでくる。
思わず顔を向けると、得意げな顔をした水無月くんに、両手で頬を挟まれ顔を固定されてしまった。
「はい、振り向いたから瀬戸さんの負け!負けた方は、勝った方の言うことを何でも聞かなきゃいけないんだよ」
「……そんな勝負、した覚えがないんですけど」
「ついさっき始まって、たった今終わりましたー」
漫画の新刊や、録画、お昼寝や、おやつタイムなど、考えまくった楽しい放課後の予定が、手の届かいところへと遠ざかっていく。
そんな私の悲しみなど知る由しもなく、屈託なく笑った水無月くんが、頬を軽く摘んで優しく引っ張った。
真っ直ぐ家に帰って、この間買った漫画の新刊を読むという予定が。
もしくは、中々消化しきれていない録画をぶっ通しで観るという予定が。
返事は適当だったが、よく考えてみたら私にだってやりたいことがたくさんある。
「嘘だ!瀬戸さんの放課後に、僕と幽霊探しに行く以外の予定があるわけない」
あれもしたいこれもしたいと考えていた私の耳に、聞き捨てならないセリフが飛び込んでくる。
思わず顔を向けると、得意げな顔をした水無月くんに、両手で頬を挟まれ顔を固定されてしまった。
「はい、振り向いたから瀬戸さんの負け!負けた方は、勝った方の言うことを何でも聞かなきゃいけないんだよ」
「……そんな勝負、した覚えがないんですけど」
「ついさっき始まって、たった今終わりましたー」
漫画の新刊や、録画、お昼寝や、おやつタイムなど、考えまくった楽しい放課後の予定が、手の届かいところへと遠ざかっていく。
そんな私の悲しみなど知る由しもなく、屈託なく笑った水無月くんが、頬を軽く摘んで優しく引っ張った。