「なんで僕が昨日の瀬戸さんのおやつを知っているのか、気になる?」
正確には、私のおやつではない。
あれは、水無月くんに教えてあげようと思って買ったもので、今もまだ鞄の中に入っている。
でも今は、そんな細かいことを指摘している場合ではない。
もったいぶったように笑う水無月くんに、私はいつになく素直に頷き返す。
いつもとは違うその素直さに気をよくしたのか、「じゃあ特別に教えてあげよう!」なんて言って、水無月くんは嬉しそうに笑った。
「昨日はね、午前中ですっかり熱が下がって元気になったから、家にいても暇になっちゃったんだ。だから、せめて放課後だけでも楽しく過ごそうと思って、瀬戸さんを迎えにきたんだよ」
この男は……病み上がりでなんてことをしているんだ。
「でね、瀬戸さんが一人で教室にいたから声をかけようと思ったら、ちょうどおやつタイムみたいだったから。何食べるのかなーと思って見ていたら、この間僕がオススメしたチョコチップメロンパンだったでしょ。これは是非、このコーヒー牛乳のことも教えてあげなくちゃと思って、急いで買いに行ったんだけど、戻ってきた時にはもう瀬戸さん帰ったあとだったんだ」
正確には、私のおやつではない。
あれは、水無月くんに教えてあげようと思って買ったもので、今もまだ鞄の中に入っている。
でも今は、そんな細かいことを指摘している場合ではない。
もったいぶったように笑う水無月くんに、私はいつになく素直に頷き返す。
いつもとは違うその素直さに気をよくしたのか、「じゃあ特別に教えてあげよう!」なんて言って、水無月くんは嬉しそうに笑った。
「昨日はね、午前中ですっかり熱が下がって元気になったから、家にいても暇になっちゃったんだ。だから、せめて放課後だけでも楽しく過ごそうと思って、瀬戸さんを迎えにきたんだよ」
この男は……病み上がりでなんてことをしているんだ。
「でね、瀬戸さんが一人で教室にいたから声をかけようと思ったら、ちょうどおやつタイムみたいだったから。何食べるのかなーと思って見ていたら、この間僕がオススメしたチョコチップメロンパンだったでしょ。これは是非、このコーヒー牛乳のことも教えてあげなくちゃと思って、急いで買いに行ったんだけど、戻ってきた時にはもう瀬戸さん帰ったあとだったんだ」