今朝買ったばかりだから賞味期限はまだ余裕だし、形もそれほど崩れていない。
せっかくなので、ほとんどいちごなメロンパンは後日渡すことにして、鞄に戻しがてら今度こそおにぎりを取り出す。

三角のおにぎりに巻かれた透明なフィルムをはいで、代わりにパリパリの海苔を巻いて頬張る。
お昼に食べたのは鮭だったが、今度のはおかかだ。

濃いめに味付けされたおかかと、意外にもふっくらとした白米、そこにパリパリの海苔が合わさって、口の中が幸せな美味しさで満たされる。
最近のコンビニは侮れない。
はぐはぐとおにぎりを噛み締めて、ふと思いついたように隣の席に視線を移しては、また何事もなかったかのようにおにぎりを食べる。


『瀬戸さんはいつもおにぎりだね。せっかくコンビニに行くなら、たまにはお弁当とか、もしくはサンドイッチとかも選べばいいのに。ちなみに僕のオススメはね――』


コンビニで買ったおにぎりを齧っている私を見つけては、水無月くんはそんな風に別のものを勧めてくる。
時には、机に出しておいたおにぎりを勝手に自分のパンと取り替えていくこともある。