私以外には誰もいない教室で、誰に向けているわけでもない言い訳をずらずらと並べ立てながら、隣の席をぼんやりと見つめる。
水無月くんの席は本当はそこではないけれど、いつだって登校してすぐにやってくるのがその席だったから、自然とそこに視線が向かってしまう。
「水無月くんがお休みなおかげで、とても平和な一日が過ごせました」
誰もいない席に向かって、ぽつりと呟いてみる。
教室には静寂が満ちていて、いつもならそこに楽しげに今日の予定を語る水無月くんの声が響くのに、今日はそれが聞こえない。
本当にちっとも、これっぽっちも寂しくなんてないけれど…………少しだけ、本当にほんの少しだけ、何かが物足りない気はしている。
「……お腹でも空いてるのかな」
水無月くんから意識を逸らすように、お昼に食べきれずに残したおにぎりでも食べてから帰ろうかと鞄に手を突っ込むと、指先に当たった物を掴んで引っ張り出す。
ガサッと音を立てて出てきたのは、目当てのおにぎりではなく、いつだったか水無月くんからもらった“チョコチップたっぷり!チョコチップパンのようなメロンパン”の新商品“いちごチョコチップたっぷり!もうほとんどいちごなメロンパン”だった。
水無月くんの席は本当はそこではないけれど、いつだって登校してすぐにやってくるのがその席だったから、自然とそこに視線が向かってしまう。
「水無月くんがお休みなおかげで、とても平和な一日が過ごせました」
誰もいない席に向かって、ぽつりと呟いてみる。
教室には静寂が満ちていて、いつもならそこに楽しげに今日の予定を語る水無月くんの声が響くのに、今日はそれが聞こえない。
本当にちっとも、これっぽっちも寂しくなんてないけれど…………少しだけ、本当にほんの少しだけ、何かが物足りない気はしている。
「……お腹でも空いてるのかな」
水無月くんから意識を逸らすように、お昼に食べきれずに残したおにぎりでも食べてから帰ろうかと鞄に手を突っ込むと、指先に当たった物を掴んで引っ張り出す。
ガサッと音を立てて出てきたのは、目当てのおにぎりではなく、いつだったか水無月くんからもらった“チョコチップたっぷり!チョコチップパンのようなメロンパン”の新商品“いちごチョコチップたっぷり!もうほとんどいちごなメロンパン”だった。