『瀬戸さん聞いて聞いて!この間ミケさんが黄色の首輪をしていてね、僕の知らない内にお嫁に行ったみたいなんだ。僕、花嫁の父の気持ちがよくわかったよ……。だから瀬戸さん、今日の放課後は一緒にミケさんのお祝いをしようね!』
『お嫁に行ったって……それただ野良が拾われて家猫になっただけなんじゃ』

『ねー、瀬戸さん!駅前にいわくつきの銅像があるの知ってた?エリーとマリーっていう女の子の像なんだけど、そのいわくが本当かどうか、今日の放課後検証しに行こう!』
『ええー、また?昨日も似たようないわくつきの銅像見に行ったばっかりなのに……』

『おはよう、瀬戸さん!昨日の帰りにすごく良いことあったんだよ、聞きたい?』
『……出来ることならホームルームが始まるまで寝かせて欲しいデス』

『ええー放課後に補習?なんで!瀬戸さんの放課後に、僕と一緒にUFO探しする以外の予定なんてないはずでしょ』
『UFO探すより先に、次のテストで赤点回避する方法を探すことになりました。先生と一緒に』

『はい。もう約束しちゃったからね、忘れちゃダメだよ!』

水無月くんに振り回されてきたこれまでの日々を、なんとなしにぼんやりと思い出していたら――