「宿題?ああ、数学と英語の時間に出たプリントと、あと現国のワークだっけ。うん、もちろん終わったよ!家に帰ってから三十分もかからずにぱぱっとね」
私はその倍以上の時間をかけてようやく終わらせたというのに……。屈託のない笑顔が憎たらしい。
でもよく考えれば当然のことだ。
何しろ彼は、変わり者であることを抜かせば、学年一の秀才なのだから。
これが学年一位とか、二位の人がとんでもなくかわいそうではあるけれど。
「……訊いた私がバカでした」
疲れたような声で呟いて、再び机に顔を伏せる。
寝不足でぼんやりする頭に、机の冷たさが気持ちいい。
このまま、朝のホームルームが始まるまで寝ていたい……。
「せーとーさーん!寝る前に僕の話を聞いてよー」
そっと目を閉じた瞬間に、机が激しくガタガタ揺れた。
地震と間違えるほどの激しいその揺れに慌てて顔を上げれば、唇を尖らせた水無月くんが、拗ねた子供のような表情で机を揺らしている。
鬼だ……ここに残念なイケメンの鬼がいる……。
仕方なくゆらりと上体を起こして机に頬杖をつくと、そこに顎を乗せてふらふらする頭を支える。
私はその倍以上の時間をかけてようやく終わらせたというのに……。屈託のない笑顔が憎たらしい。
でもよく考えれば当然のことだ。
何しろ彼は、変わり者であることを抜かせば、学年一の秀才なのだから。
これが学年一位とか、二位の人がとんでもなくかわいそうではあるけれど。
「……訊いた私がバカでした」
疲れたような声で呟いて、再び机に顔を伏せる。
寝不足でぼんやりする頭に、机の冷たさが気持ちいい。
このまま、朝のホームルームが始まるまで寝ていたい……。
「せーとーさーん!寝る前に僕の話を聞いてよー」
そっと目を閉じた瞬間に、机が激しくガタガタ揺れた。
地震と間違えるほどの激しいその揺れに慌てて顔を上げれば、唇を尖らせた水無月くんが、拗ねた子供のような表情で机を揺らしている。
鬼だ……ここに残念なイケメンの鬼がいる……。
仕方なくゆらりと上体を起こして机に頬杖をつくと、そこに顎を乗せてふらふらする頭を支える。