俺はそんな気持ちで、ひまわりたちのことをじっと見つめていた。

 十年前のあの日。
 この場所で一度だけ一緒に遊んだ女の子のことを思い出しながら。



 ……会いたい。
 ひまわりのような笑顔を見せてくれた女の子に。

 俺は十年前のあの日以来、毎年八月のこの時期に、このひまわり畑に数回来ているけれど、まだ一度も会えていない。
 今も周りを見渡しているけれど、人の姿は見えない。


 ……やっぱり。
 やっぱり、今年も会えないのだろうか。

 今年も諦めるしかないのだろうか。


 今年だけではない。

 これからもずっと、何年経っても、あの女の子に会えることはないのだろうか。



 ……ダメ。
 そんな簡単に諦めてはダメだ。

 まだ可能性はあるはずだ。



〝カサカサ……〟


 ……‼

 なんだろう、今の音。