『哉芽!!』
病室に飛び込んできたのは
恋人の律希。
『んなに慌てなくても
僕は生きてるよ?』
左腕骨折と
念のため検査するため
入院することになったけど
命に別状はない。
『よかった……』
律希は綺麗桜色を
纏って、心底僕の無事を
喜んでくれているのがわかる。
「え~と哉芽、この方は?」
おっと、両親がいることを
すっかり忘れていた。
『友達の来島律希。
僕の一個上で大学一年生』
正確には“恋人”だけど
今、それを言う必要はない。
「初めまして、
来島律と申します」
綺麗なお辞儀とともに
自己紹介をした律希は
両親が何かを言い出すのを
待っているかのように顔を上げない。
纏っている“色”は利休鼠(りきゅうねずみ)。
やや灰色い黄緑系の色で
緊張しているのがわかる。
「哉芽に大学生の友人がいたとは
驚いたけど、息子と
仲良くしてくれてありがとう」
先に口を開いたのは父さん。
「いえ、
仲良くして頂いてるのは俺の方です」
何言ってんだか(苦笑)
持ちつ持たれつ。
お互い様だよ。
心の中だけでそう応(こた)えた。
少しトリップしていた思考が
律希の言葉で現実に戻された。
『カナ、当分俺の家で暮らさないか?』
いきなり、何を言い出すかと思えば。
『利き腕を骨折しているんだから
退院したとしても何かと不便だろう?』
律希の言うことに一理あるけど……
この歳になって、
いくら骨折しているからといって
母さんに甘えられないし甘えたくない。
父さんは昔あえ程でなくても仕事が忙しい。
「それは、君の負担にならないかい?」
母さんは全く話さず、さっきから
律希と話しているのは父親だけだ。
『大丈夫ですよ、一人暮らしですし
うちで飲み会なんかして友人達が
泊まっていくこともありますから』
そういえば、前にそんなこと言ってたな。
「じゃぁ、お願いしようかな、
高校生にもなって僕達に
甘えられないだろうからね」
父さんは僕の気持ちに気付いてるらしい。
『ありがとうございます+゚*。:゚
哉芽が退院したらいお預かりしますね』
そうか、当分の間は律希と
一緒にいられるんだな。
「よろしくね」
父さんの纏う色が紫水晶(むらさきすいしょう){やや灰色い青紫系の色}になった(苦笑)
ちょっと羨ましいと思ったらしい。
『ありがとうな』
『どういたしまして』
結局、母さんは終始黙ったままだった。
✽+†+✽――✽+†+✽――✽+†+✽
検査の結果は骨折以外は異常なしだった。
二日後、退院した。
『お帰り』
退院して約束したように
今日から当分の間
律希ん家で世話になる。
『ただいま?』
骨折が治る間だけなのに
“お帰り”なんて言われた
同棲するみたいで少し気恥ずかしい//////
『ぷっ、何で疑問系なんだよ』
笑われてしまったがそもそも
そういう挨拶を最近していなかったから
言葉に詰まってしまったんだ。
『お帰りなんて久しぶりに言われたから』
母さん達とは本当に
そういう挨拶をしてなかった。
仲が悪いわけじゃないけど
お互いのことに干渉しない。
『そっか、まぁ当分の間は
俺が言ってやるからカナも言えよ』
『わかった』
いつか、本当に
“同棲”できたらいいなと思った。
二ヶ月後、僕の骨折は治り家に帰った。
病室に飛び込んできたのは
恋人の律希。
『んなに慌てなくても
僕は生きてるよ?』
左腕骨折と
念のため検査するため
入院することになったけど
命に別状はない。
『よかった……』
律希は綺麗桜色を
纏って、心底僕の無事を
喜んでくれているのがわかる。
「え~と哉芽、この方は?」
おっと、両親がいることを
すっかり忘れていた。
『友達の来島律希。
僕の一個上で大学一年生』
正確には“恋人”だけど
今、それを言う必要はない。
「初めまして、
来島律と申します」
綺麗なお辞儀とともに
自己紹介をした律希は
両親が何かを言い出すのを
待っているかのように顔を上げない。
纏っている“色”は利休鼠(りきゅうねずみ)。
やや灰色い黄緑系の色で
緊張しているのがわかる。
「哉芽に大学生の友人がいたとは
驚いたけど、息子と
仲良くしてくれてありがとう」
先に口を開いたのは父さん。
「いえ、
仲良くして頂いてるのは俺の方です」
何言ってんだか(苦笑)
持ちつ持たれつ。
お互い様だよ。
心の中だけでそう応(こた)えた。
少しトリップしていた思考が
律希の言葉で現実に戻された。
『カナ、当分俺の家で暮らさないか?』
いきなり、何を言い出すかと思えば。
『利き腕を骨折しているんだから
退院したとしても何かと不便だろう?』
律希の言うことに一理あるけど……
この歳になって、
いくら骨折しているからといって
母さんに甘えられないし甘えたくない。
父さんは昔あえ程でなくても仕事が忙しい。
「それは、君の負担にならないかい?」
母さんは全く話さず、さっきから
律希と話しているのは父親だけだ。
『大丈夫ですよ、一人暮らしですし
うちで飲み会なんかして友人達が
泊まっていくこともありますから』
そういえば、前にそんなこと言ってたな。
「じゃぁ、お願いしようかな、
高校生にもなって僕達に
甘えられないだろうからね」
父さんは僕の気持ちに気付いてるらしい。
『ありがとうございます+゚*。:゚
哉芽が退院したらいお預かりしますね』
そうか、当分の間は律希と
一緒にいられるんだな。
「よろしくね」
父さんの纏う色が紫水晶(むらさきすいしょう){やや灰色い青紫系の色}になった(苦笑)
ちょっと羨ましいと思ったらしい。
『ありがとうな』
『どういたしまして』
結局、母さんは終始黙ったままだった。
✽+†+✽――✽+†+✽――✽+†+✽
検査の結果は骨折以外は異常なしだった。
二日後、退院した。
『お帰り』
退院して約束したように
今日から当分の間
律希ん家で世話になる。
『ただいま?』
骨折が治る間だけなのに
“お帰り”なんて言われた
同棲するみたいで少し気恥ずかしい//////
『ぷっ、何で疑問系なんだよ』
笑われてしまったがそもそも
そういう挨拶を最近していなかったから
言葉に詰まってしまったんだ。
『お帰りなんて久しぶりに言われたから』
母さん達とは本当に
そういう挨拶をしてなかった。
仲が悪いわけじゃないけど
お互いのことに干渉しない。
『そっか、まぁ当分の間は
俺が言ってやるからカナも言えよ』
『わかった』
いつか、本当に
“同棲”できたらいいなと思った。
二ヶ月後、僕の骨折は治り家に帰った。