「ねぇ、やっぱり帰ろうよ…。」


美紀は、声を震わせていうが、翔にはこれっぽっちも届かず、逆に翔は楽しそうな
表情をしていて、これは私には止められないと諦めて、後についていくことにした。


…が、建物に足を踏み入れたその瞬間。



「バァァァァァァン!!!!」

勢いよく扉の閉まる音がした。



「え」

私たちは、後ろを振り返り扉が開くかどうか確認すると…。


「開かない」


「嘘でしょ!?」


翔は、とりあえずカメラを手放さないようにカメラと手を持ってきたテープで固定した。
これなら、完全に映像に収められると、その時は思っていたからだ。