駅に着くと、瓦屋根の土産屋の前に、手編みのチェック柄のニット帽を被り、白のダウンコートと赤いマフラーに身を包んだ少女が静かに目を閉じ待っていた。
「ごめん、遅くなった」
「早いね、今日は」
どこか無理のある冷たさが、痛かった。
「なにか温かいものでも飲む?」
「白いカフェオレがいい…」
すぐ横の自動販売機に向かい、硬貨を入れ、左下から三番目に並んであった温まった缶を、ポケットに手を突っ込んだ彼女にそっと渡す。
「すぐ飲まないならポケットに入れとき」
「うん、カイロ代わりにする」
嬉しそうに頷く彼女は、少しだけ自然な表情に戻ったようにみえた。
「今日はどこに連れってくれるか決めてくれた?」
彼女は悩ましそうに僕に尋ねる。
「…鶴博物館」
あと、半日しか残されていない二人の時間をどう使うか、ここ一週間、悩みに悩んでだした結論がこれだった。普段ならセンスを疑うと自分でも思うだろう。
「うわっ!鶴博物館ってセンス無っ!!」
「そうなるよなぁ…市内で観覧車乗ったりするのもいいかなって思ったんだけど、今日は地元の方がいいかなって。…やっぱり駄目かな?」
案の定、ダメ出しをされたが、一度だけ食い下がることにした。
彼女は少し考え込み、やがて優しく困ったような表情をみせると、いつものわがままな口調で宣われた。
「仕方ないな!その案で採用しといてあげるよ」
納得していただいたようでなによりだよ。
「ごめん、遅くなった」
「早いね、今日は」
どこか無理のある冷たさが、痛かった。
「なにか温かいものでも飲む?」
「白いカフェオレがいい…」
すぐ横の自動販売機に向かい、硬貨を入れ、左下から三番目に並んであった温まった缶を、ポケットに手を突っ込んだ彼女にそっと渡す。
「すぐ飲まないならポケットに入れとき」
「うん、カイロ代わりにする」
嬉しそうに頷く彼女は、少しだけ自然な表情に戻ったようにみえた。
「今日はどこに連れってくれるか決めてくれた?」
彼女は悩ましそうに僕に尋ねる。
「…鶴博物館」
あと、半日しか残されていない二人の時間をどう使うか、ここ一週間、悩みに悩んでだした結論がこれだった。普段ならセンスを疑うと自分でも思うだろう。
「うわっ!鶴博物館ってセンス無っ!!」
「そうなるよなぁ…市内で観覧車乗ったりするのもいいかなって思ったんだけど、今日は地元の方がいいかなって。…やっぱり駄目かな?」
案の定、ダメ出しをされたが、一度だけ食い下がることにした。
彼女は少し考え込み、やがて優しく困ったような表情をみせると、いつものわがままな口調で宣われた。
「仕方ないな!その案で採用しといてあげるよ」
納得していただいたようでなによりだよ。