I had a long long never dream 。

長い、夢を みた。

白くて
産毛の小さな
オウムを
両手に乗せると、
マスターが 男の子の額に
印を
指で描いて、
鳥を手に 男の子は、泣いた。

神殿を歩く男の子に、
たくさんの大人が

頭を垂れている

宮殿には 沢山の家族がいて、
仕える者が 礼をとる中、
男の子は 1人で
勉強に勤め、鍛練に励む。

沢山の人々が
押し寄せるテラスに
少年は 満面の笑顔で
手を振る。
羨望の人々に見送られ、
少年は
寄宿舎に入った。

同年代の少年達が、
少年を
何時も取り囲み
仕切りに話かける。

囲む男子達の向こうに、
彼は
凛とした女子の 横顔を見つけた。

彼女を
追いかけて 彼が
港に出ると、
ヨットの上に
白スーツの探偵 手を
ヒラヒラさせている。

探偵に、彼は
彼女の行方を聞く。
探偵は、
ヨットの鍵だと、
金の鳥籠を
彼に
渡してくれた。



「お~いぃ、emperor~。
グッドモーニングぅ?
お寝坊さんだなぁ emperorはぁ」

間の抜けた声と共に
顔を ペシペシと
叩く衝撃で、ケイが
瞼を押し開ける。

「Fast morningが どうして
オマエ、Sherlock、、なんだ」

額に片手を当てて
ケイは気だるそうに上半身を
ソファーから起こした。

朝の眩しい光に照らされ
周りは、
残念なほど荒れた
オフィスタワーに入る
ブランドホテルのスイート。

「Wau?!stormか?!オイ!」

ケイがハジメに叫んで、
はたと記憶を探るのは既視感。
ここと
同じように荒れ果てた
VIPルームを見たのは 確か、、

「Sherlock、KOBEの vip roomは
オマエだったか、、」

間違いないと、ケイは
ハジメに ホテルメイドを
今すぐ呼べと指示して、
シャワーに向かう。

そんな機嫌斜めのケイに
夢と同じ様に手を
ヒラヒラさせるハジメは

「えぇ、連れないなぁ。
昨日は、アサミくんに『Please
marry me、オレのものになって
手を取ってくれ、アザミ。』
ってぇ、あんなに可愛いくさぁ
プロポーズしてたのにさ~」

嫌味に、
ニカッと白い歯を見せて
笑って見せた。

それを聞いて、ケイは
顔面を真っ青にして ハジメの
襟元を両手で掴んで
ブンブンと揺さぶり。

「Stop!!Forget!ロクデナシ」

今すぐ忘れろと襟を締める。
そんな
ケイに、ハジメはさらに

「『I protect you 愛している
んだ』とぉ、
『10年。あの日からずっとだ
fell in one moment』だっけ?」

昨日 アザミを救出して戻った
ヘリポートで
ケイがプロポーズした言葉を
吐いていくから、

「NOoooooooo!Shut up!」

ケイは、掴んでいた
ハジメの襟を投げ放して
今度は
周りに散らばる
ハジメの着替えやら
小物やらを
投げつけまくって

「サイ、アクだな オマエ」

と、シャワールームに入った。

「よく言うよねん?その後さぁ
お尻を触るからぁ、アサミくん
に、ツネラレテてたよねぇ。
emperorってぇ エロ王子だよ」

しかも、プロポーズは成功なんて
爆発したらいいよねん~と、
ハジメは
シャワールームの前で
大声でケイに話してやめない。

「あ!ダーレンはぁ、もう先に
メガヨットに行ってるよん。」

洋服をかき集めるハジメの気配。

『ご依頼の、ホテルメイドです』

その時、
スイートルームのドアから
呼び鈴と声が聞こえる。

ケイがシャワールームから
出るのと入れ違いに
ホテルメイドが眉間に
皺をよせて、
出ていくのが見えた。

「 でぇ、コレは餞別だよん。」

片付いたスイートの窓辺で
コーヒーを飲んでいた
ハジメが
嗜好を凝らした細工の
金鳥籠を ケイに投げ 渡たし、
ついでと
ヤマモリが用意した、
スーツも指さす。


昨日、
アザミを救出したケイは、
そのままヒルズビレッジの
ヘリポートに
ヤマモリも一緒に降り立った。

アザミの無事を心配しつつ、
もう1つの
ライトボート列を追いかけた
ハジメ達、

監禁されるアザミを
捜索した先輩ミズキ、

自分の言動で迷惑を掛けたと
猛省するマユも、

ヘリポートで
ケイとアザミを待っていた。
そして、
ケイがアザミにプロポーズを
した事で 一気にヘリポートは
歓声に湧いて
そのまま女子会と男子会を
各々、ヒルズビレッジで
夜通し開催したのだった。

スイートルームの惨状は
その名残だったわけで。


「ねぇ、emperor。昨日言ってた
『運命神の使い、花嫁の鳥』
ってさぁ~、
そのオカメインコなのん~?」

いつの間にか、
スイートルームの天井を飛んで
いる白い鳥に、
ハジメが指を出すが、
その鳥は、見向きもしない。

「『ティカ』!」

なのに、ケイが呼ぶと
ティカは ケイの指に止まるから
ハジメは、肩をすくませて、
やれやれとポーズする。

「ガルーダ信仰だっけぇ~?」

ティカの後ろ頭を指で
なでて、渡された鳥籠に
ティカを大切に入れる。

そして、
ケイは 朝の都会のパノラマが
満面に広がる窓を背中に
座るハジメに

「Question『運命の花嫁』とは」

静かに聞いた。

ハジメは タレた目尻を
面白そうに上げて、両手を
顔の前で思案するかに、組んだ。

「何~?果たし状かなぁ?」

口をニマリと形づくる。

「 No idea なだけだ。Sherlock、
もしかしてアザミの事知って
いて、illusion offer したのか?
オマエの answer は興味ある。」

そもそも、アザミの名前さえ
ハジメにはしゃべっても
ないのになと、
ケイは 感嘆すると

ハジメは、夏の芸術祭で
ケイがクルーズギャラリーに
訪れた時
『聖母の青』談義をしたのを
覚えてないのかと揶揄して、
ケイが自分で
「探しているのは、
高嶺の ロザリオフラワーだ」と
呟いていただろ?と
声を立てて笑った。

「ねぇ、emperor? ガルーダって さぁ、 この国では金翅鳥
ーこんじちょうーとも呼ばれ
てるんだ~。金翅鳥はねぇ、
神さまを背負って
時間 三世、宇宙天地、全世界を
飛ぶ事がねぇ
出来る神の鳥なんだよね~。」

そういう、相手なんじゃ
ないかなぁと、
ハジメは 目を見開くケイを
優し粋な眼差しで見つめた。

Great ハジメ!Thank You。

ケイは おもむろに 自分の
左手の中指から外したモノを
ハジメに投げ

「God's blessing for ハジメ。」

瞳を滲ませる。

「そろそろ『嫁』を迎えにさぁ
いけばいいんじゃないのん?
ボク達のメガヨットも 出港
用意ができたってさぁ~、
ダレンから連絡入ったよ、、」

早く着替えなと、促した
ハジメも
顔をグシャグシャに歪ませてた。



甲板に、白のワンピースを着た
アザミを ケイは
後ろから
ガッシリ抱き締めて立つ。

見送りの顔は、それを呆れて
見ているのが甲板からも
分かるが、
ケイは気にしていない。

ケイのスタイルは、
ヤマモリが用意していた
白のオータムジャケットに
チーフを指した
アザミと揃いの
ブライダルホワイト。

そんな SS級な
ヤマモリの計らいを、
粋な事をと ケイは苦笑しかない。

次第に
甲板から デッキゲートが
上げられて、
白く輝くメガヨットのトビラが
ロックされると

出発の合図がする。

「ダレンは、アザミをmiss it
して、サヤンだろうな。」

手を振るアザミと、港に佇む
見送りの1人を
み見下ろしてケイが
満足そうに云い放つ。

嫌味なほど にこやかに、
アザミを抱きつつ 手を振るケイに

「えっ?ダレンってさ、もともと
シオンちゃんが好きなんだよ?」

アザミが 何言ってるのと
言葉を続けた。!!!

「シオンちゃん、学園の時から
男女年齢問わず 人タラシ 力が
凄かったんだって。
1つ上の学年でもさ、有名な
『花』の1人なんだから。」

いやだなぁ、とケイの
頭をなでるアザミの言葉に、
ケイは
港の見送りに混じるシオンを
見つめて

「Really?」
と、
アザミの空いた背中に
驚きの吐息を乗せて、
そのまま
信じられない自分の
バカさ加減に
顔を擦り付け埋めた。

本当にオレは
アザミしか見えてないな。
サヤンはオレだ。

始まりは
足を踏み抜かれた danceで、
mistakeは いつくもあって。

そんなオレの life cruze航海から
セラマ プーランと
友が 待つ場所に、、還れる。


キュイ---ィィィィ… キュイィィィィィィ … キュイ…


時間 三世、宇宙天地、全世界を
共に飛ぶ相手。

ふと

オレ達のPrinceやprincessも
『ティカ』を手にするか?

と近い未来に思いを馳せる。

何?と聞き返すアザミを
もう一度腕に力を込めて
ケイは
港の見送りに 大きく手を振った。

自分の腕に彼女を
抱くと
溶けてしまう様な 感覚襲われて
それに縋り付けば
何度も
「サヤ サヤング アワッ」と
口にしている。
そんな
褐色の王子の 恋愛旅は
無事にフィナーレを迎えた。