『ティカ』を肩に、アサミは
ヒルズヴィレッジの
医療エリアから
キャナルウォークを挟んだ
向かいにある、
コンセプトモールへと 歩く。
モールの一角にある、
ペットエリアで、
ティカのエサと、ゲージを
探すためだ。
「さすがにさ、籠ないと。」
アサミは ティカの頭を撫でた。
モールのイチ押しはさ、
やっぱり
日本庭園になっている
ルーフトップガーデンとか、
進化系・日本の老舗ブランドを
集めた テナントロードだよ。
でもさ、
ここのペットエリアも凄い。
ちょっと他にないんだよ。
グッズエリアが、
アクアリウムミュージアムに
なっていてさ、
水族館を 楽しむみたいに、
熱帯魚とかを買えるんだよ。
クラゲの展示なんて、
ライトアップされていて、
そのままデートスポットよ。
ペット用のスイーツもある、
アクアリウムのカフェもさ
いい感じなんだよね。
「鳥のコーナーは、、」
深海にいるような
幾つもの水槽に 囲まれて
ダウンライトが、ムーディーな
ペットグッズエリア。
ティカを、肩にアサミが
鳥のコーナーを探していると
丁度ゲージが並ぶ 場所に、
見知ったスーツ姿を見つけ
声をかける。
「ダレンも、鳥籠、買うの?」
アサミの言葉に、ゆっくり
グラデーションカットの前髪を
揺らして 振り返り、
斜に構えた視線の主が、
答えた。
「アサミ姫か。君こそ、肩に
侍らす、冈美子はどうしたのだ」
ダレンだった。
アサミの肩を見た、ダレンは
臆する事なく 人差し指を出して
ティカを『チョッチョ』と呼ぶ。
「ガン、メイジ ン?」
あれ、意外にティカちゃん、
ダレンにさ、懐かない、よ。
アサミは不思議に
思いながら 、ダレンの発した
聞きなれない単語を
片言で返した。
「オカメ、インコといったか?
白雪姫に改良されたタイプか」
なるほど、冈美子=オカメインコ
ってことよ。
結局、ティカはアサミの頭に
ピョンと跳ねて ダレンから
逃げた。
「ダレン、詳しいですね。」
ごめんなさい。と、アサミは
ティカの態度を 謝まる。
ダレンも、全く気にする素振りを
見せないまま、
「我々の国は、鳥を愛でる歴史が
長い上に、文化も盛んなのでな。
闘鶏や、競鳴といった趣味さ」
と答えて、
鳥の棚から、オウムの餌を
アサミに、手渡してくれた。
「 冈美子は、インコ名がつくが、
実際はオウムだ。長く生きる、
オーストラリア原産の種類。」
渡された、オウムの餌に
驚いて、アサミがダレンに
頭を下げた。
「てっきり インドネシア
かと 思ってた、です。」
もうすぐでさ、インコの餌を
買うところだったよ。
「まあ、世界で1番鳥類の
種類が多い地域だからな。」
今度は、幾つももの 鳥籠を
手に選び始める、ダレン。
「ダレンは、鳥籠。仕事ですか」
ダレンは、徐に
小振りで竹製の、手持ちのある
鳥籠を 思案する。
「嗚呼。ハジメオーナーから、
ここの品揃えが リュクスで良い
から、身繕っておけとの指示。」
さらに、鳥籠カバーも 2つ
棚から、取り出した。
「ハジメオーナー、いつこちらに
来られますか。いろいろお礼を、
言わないと、ですから。」
アサミは、ダレンが テキパキと
選ぶのを、横で見ている。
「メガヨットで、クルージング
しながら帰港だから 確定は、
出来ないが、来れば知らせる。」
そうだな、これだろう。と、
ダレンが呟いた。ところで、
「イリュージョニスト・ケイと、
オーナーって、どいう、間柄
なんでしょう。お友達とか。」
ちょっとさ、気になってたから
聞いてみたよ。
「芸術祭で紹介されて、意気投合
したとは、聞いたが。友人とか
ではないと認識している。もし、
困っているなら、助太刀するが」
あ、大丈夫です、ダレン。
でもさ、そっか。
一瞬、考える素振りを見せた
アサミに、今度は
ダレンが 上司の話 繋がりだが、
と 続けてきた。
「そちらの課長も、今度ある
来日客と民間企業パーティー
に、招待すると来訪されたよ。
彼もヒルズに役職持つ男
なのだ、格もあるだろうに、
腰が低くて意外だったな。
パーティーには、
オーナー代理で自分達が、
出席する。だから、アサミ姫、
何かあれば、本当に 頼れよ」
その旨、課長とミズキ女史にも
伝えてくれと、
ダレンは、アサミの頭に移動した
ティカを撫でて、
さっき選んでいた、竹製の鳥籠を
アサミにカバーと一緒に
サラリと、渡してきた。
「これが、丁度だと確信した。」
そういうと、
スタッフに声をかけて、
売り場の鳥籠を 全部1つずつ
オフィスに運んで欲しいと
依頼をした。
そして、
次に 行くからと アサミに
その鳥籠とかは、プレゼントだと
カードを手に振る。
「そういえば、インドネシアには
その鳥と良く似た、オウムが
『傘の鳥』と呼んだ気がする。
あの辺りは、神を運ぶ神が
鳥なんだ。その 冈美子が、君の
ラッキーバードだと良いな。」
とだけ 言い残して
スタッフに、アサミの鳥籠も
ラッピングして欲しいと頼んで
じゃあと、
アクアリウムミュージアムの間を
颯爽と出て行った。
ダレンさ、男前だよ。
アサミは ダレンが身繕った、
竹製持ち手つき円筒鳥籠と、
カバーをスタッフに渡して、
ティカを その籠に入れる。
スタッフは、リボンを掛けて
くれた。
ティカがいるからさ、
ペーパーラッピングは出来ない
もんね。
はあ、これでさ、ようやく、
帰えれるよ。
「今日いろいろありすぎて、
1日長かった気がするよ。」
すっかり夜。ふと、見上げると
秋の夜空に、月が浮かぶ。
明日は休み。そして、
あと5日か。
ヒルズヴィレッジの
医療エリアから
キャナルウォークを挟んだ
向かいにある、
コンセプトモールへと 歩く。
モールの一角にある、
ペットエリアで、
ティカのエサと、ゲージを
探すためだ。
「さすがにさ、籠ないと。」
アサミは ティカの頭を撫でた。
モールのイチ押しはさ、
やっぱり
日本庭園になっている
ルーフトップガーデンとか、
進化系・日本の老舗ブランドを
集めた テナントロードだよ。
でもさ、
ここのペットエリアも凄い。
ちょっと他にないんだよ。
グッズエリアが、
アクアリウムミュージアムに
なっていてさ、
水族館を 楽しむみたいに、
熱帯魚とかを買えるんだよ。
クラゲの展示なんて、
ライトアップされていて、
そのままデートスポットよ。
ペット用のスイーツもある、
アクアリウムのカフェもさ
いい感じなんだよね。
「鳥のコーナーは、、」
深海にいるような
幾つもの水槽に 囲まれて
ダウンライトが、ムーディーな
ペットグッズエリア。
ティカを、肩にアサミが
鳥のコーナーを探していると
丁度ゲージが並ぶ 場所に、
見知ったスーツ姿を見つけ
声をかける。
「ダレンも、鳥籠、買うの?」
アサミの言葉に、ゆっくり
グラデーションカットの前髪を
揺らして 振り返り、
斜に構えた視線の主が、
答えた。
「アサミ姫か。君こそ、肩に
侍らす、冈美子はどうしたのだ」
ダレンだった。
アサミの肩を見た、ダレンは
臆する事なく 人差し指を出して
ティカを『チョッチョ』と呼ぶ。
「ガン、メイジ ン?」
あれ、意外にティカちゃん、
ダレンにさ、懐かない、よ。
アサミは不思議に
思いながら 、ダレンの発した
聞きなれない単語を
片言で返した。
「オカメ、インコといったか?
白雪姫に改良されたタイプか」
なるほど、冈美子=オカメインコ
ってことよ。
結局、ティカはアサミの頭に
ピョンと跳ねて ダレンから
逃げた。
「ダレン、詳しいですね。」
ごめんなさい。と、アサミは
ティカの態度を 謝まる。
ダレンも、全く気にする素振りを
見せないまま、
「我々の国は、鳥を愛でる歴史が
長い上に、文化も盛んなのでな。
闘鶏や、競鳴といった趣味さ」
と答えて、
鳥の棚から、オウムの餌を
アサミに、手渡してくれた。
「 冈美子は、インコ名がつくが、
実際はオウムだ。長く生きる、
オーストラリア原産の種類。」
渡された、オウムの餌に
驚いて、アサミがダレンに
頭を下げた。
「てっきり インドネシア
かと 思ってた、です。」
もうすぐでさ、インコの餌を
買うところだったよ。
「まあ、世界で1番鳥類の
種類が多い地域だからな。」
今度は、幾つももの 鳥籠を
手に選び始める、ダレン。
「ダレンは、鳥籠。仕事ですか」
ダレンは、徐に
小振りで竹製の、手持ちのある
鳥籠を 思案する。
「嗚呼。ハジメオーナーから、
ここの品揃えが リュクスで良い
から、身繕っておけとの指示。」
さらに、鳥籠カバーも 2つ
棚から、取り出した。
「ハジメオーナー、いつこちらに
来られますか。いろいろお礼を、
言わないと、ですから。」
アサミは、ダレンが テキパキと
選ぶのを、横で見ている。
「メガヨットで、クルージング
しながら帰港だから 確定は、
出来ないが、来れば知らせる。」
そうだな、これだろう。と、
ダレンが呟いた。ところで、
「イリュージョニスト・ケイと、
オーナーって、どいう、間柄
なんでしょう。お友達とか。」
ちょっとさ、気になってたから
聞いてみたよ。
「芸術祭で紹介されて、意気投合
したとは、聞いたが。友人とか
ではないと認識している。もし、
困っているなら、助太刀するが」
あ、大丈夫です、ダレン。
でもさ、そっか。
一瞬、考える素振りを見せた
アサミに、今度は
ダレンが 上司の話 繋がりだが、
と 続けてきた。
「そちらの課長も、今度ある
来日客と民間企業パーティー
に、招待すると来訪されたよ。
彼もヒルズに役職持つ男
なのだ、格もあるだろうに、
腰が低くて意外だったな。
パーティーには、
オーナー代理で自分達が、
出席する。だから、アサミ姫、
何かあれば、本当に 頼れよ」
その旨、課長とミズキ女史にも
伝えてくれと、
ダレンは、アサミの頭に移動した
ティカを撫でて、
さっき選んでいた、竹製の鳥籠を
アサミにカバーと一緒に
サラリと、渡してきた。
「これが、丁度だと確信した。」
そういうと、
スタッフに声をかけて、
売り場の鳥籠を 全部1つずつ
オフィスに運んで欲しいと
依頼をした。
そして、
次に 行くからと アサミに
その鳥籠とかは、プレゼントだと
カードを手に振る。
「そういえば、インドネシアには
その鳥と良く似た、オウムが
『傘の鳥』と呼んだ気がする。
あの辺りは、神を運ぶ神が
鳥なんだ。その 冈美子が、君の
ラッキーバードだと良いな。」
とだけ 言い残して
スタッフに、アサミの鳥籠も
ラッピングして欲しいと頼んで
じゃあと、
アクアリウムミュージアムの間を
颯爽と出て行った。
ダレンさ、男前だよ。
アサミは ダレンが身繕った、
竹製持ち手つき円筒鳥籠と、
カバーをスタッフに渡して、
ティカを その籠に入れる。
スタッフは、リボンを掛けて
くれた。
ティカがいるからさ、
ペーパーラッピングは出来ない
もんね。
はあ、これでさ、ようやく、
帰えれるよ。
「今日いろいろありすぎて、
1日長かった気がするよ。」
すっかり夜。ふと、見上げると
秋の夜空に、月が浮かぶ。
明日は休み。そして、
あと5日か。