『ケイさ、今度、マジックは
あまり、凄くないのでいいです』

昨日、メトロの別れ際、
ケイがアサミに伝えた。

『・・・・わかった。今日の
magic time は 明日の昼、
EARTH POOLで、水を使う、』

かわりに
ケイの示した場所は、
アサミには 随分意外だったのか、

「EARTH POOL、、、」

かなり解りやすく驚く。

ヒルズビレッジにある
オフィスタワーには、
もちろん アサミの職場も
あるのだから、
知らないわけがない。


タワーの上階にある
ジムにもプールは完備され、
ホテルステイすると
ジムと、プールは使えて、
料金を払えば、
ステイゲスト意外でも使用可能。
ただ、
ケイの示した場所は
全く 非公開のプールだ。

「EARTH POOLって、」

何本もパンテオンみたいな柱が
プール中央にある ガセボを
真ん中に
立ち並ぶ 空間に、
回廊が周囲をめぐり
浄水した
湧水が 湛えられている。


「ケイ、よくこの EARTH POOL
知ってましたね。驚きです。」

昨日みたいに ダレンやケイトウ
には言わずに、 今日は
アサミ1人でやってきた

EARTH POOL。

オフィスタワー地下部にある
EARTH POOLは、
厳密には
ウォータータンクだ。

「レジデンスの conciergeが
教えてくれた。静かな poolを
聞いただけだ。lunchも ケータ
リングをしてくれて、優秀だな」

そう言って
プール真ん中のガセボに ケイは
アサミを 連れる。

「こんなとこなんて。想像も
しなかった。凄く 静謐な、、」

思わず感想が 溢れてしまう。

ヒルズヴィレッジの周辺は
地下水が豊富で、
建設計画の際
水源を、緊急時や植栽に 利用する
ウォータータンク案が採用して
エコ利用。

EARTH POOLは、
ホテルのスイートゲストにだけ
オープンしているのだが。
利用する ゲストは 皆無。

ここなら アサミの transform を
解けるからな。

「なぜか、Power charge ランチ
なんだ。少しヴィーガンぽい」

ガセボに橋を使って渡たれば、
ガーデンテーブルに
色鮮やかサラダが見える。

「EARTH POOLに ちなんで?」

なんじゃないですかね。
優秀コンシェルジュさん的にと、
アサミが笑った。

ここから、少し酷い事をする
bad guy にそんなsmile
するは反則だ。


「ようやく、ゆっくりアサミと
talkできる。避けてたんだろ?」

ノンアルカクテルを手にケイが、
感じていた事の答え合わせを
する時は 乾杯が合図。

「 I wish you a wonderful time
、、Cheers to アサミ、、」

ケイの 乾杯に、アサミも
「Cheers、、」と躊躇いがちに
グラスを 目の高さに上げて、
答えた。とたん、

ノンアルカクテルから
青い炎が上がって!
ガセボの前に噴水が上がった!!
水飛沫が
人口の虹を作り出す。

「うあー!ケイ、凄いです。」

そんな感動の言葉を
口にする アサミの顔と
うらはらに、ケイは
静かに イラつきを漂わせる。

そうすれば、
アサミは ケイに、

「それは、考えすぎです。」

溜息をついて
目の前のパワーメニューを
食べ切る事に集中している。

やっぱり 避けてたか。
どうせオレは、I don't rememberな
存在だろ?
なら、

「違うな。first tour のジンジャも
セントウも、communication
ないロケーションだっただろ?」

ケイは、指を組んで テーブルに
肘をつく。
嫌悪でもいい。

「人見知りなんです。わたし。」

それよりも、と

「ところでケイ。貴方、何して
そんな体付き、なるんですか。」

さらにアサミは話を、
変えてくる。
ケイは、眉を上げて、

「ヒトミシリ?何か知らないが
joke だろ。ま、いいがな。bodyは
普通。兵役につく事もあるから」

よっぽど意外な返事だったのか
アサミが反らしていた顔を
ケイに向けた。

chanceだ!
ケイが、前髪をかき揚げて

『パチン!!』と指を鳴らすと、

『パササッーーー』

白い鳥が 飛んでくる。
羽の間には、ハート模様、
オカメインコの『ティカ』だ。


ケイとアサミの周りを飛ぶと、
ティカは、アサミの
ラッシュガードの肩に留まる。

そう、
アサミは 今、オレが用意した
Swimsuit 姿。

「ちゃんと、tour lead しないと
ティカは あげられないな。
and アサミは何故 ウソをする」

その Lieを オレは、暴くよ?
何故なら、、

ランチは食べきっている。
アサミは 立ち去ろと 立ち上がる。

「今日は、、」

帰りますというより早く、
ケイが テーブルの向こうから
素早く アサミの顎に
手をかけて、
グイっと 無理やり上を向かせた。

「っ?!ケイ!」

問答無用で、水着に尚も
付けている アサミの眼鏡を
ケイは 手荒に取った。

「Trick Glassesだろ。それに、」

逃がすか!!

アサミの額に、ケイが己の額を
擦り付けて、吐息のかかる
至近距離まで 詰めれば
アサミの瞳を 覗き込んだ。

「ダミーコンタクトにTransform
makeまでしてるよな。これは」

余りに咄嗟のケイの行動で、
固まるアサミを
キスの距離で見つめる状況に

ケイは そのままアサミの鼻に
己の鼻を スルリと擦り寄せる。

ああ、この fragrance だ。

いきなりケイは、
アサミを 横抱きにして

「ケイ!何!ちょっと!」

体をバタつかせて 抵抗する
アサミをそよに 数歩あるいて
手をいきなり放した。

sorry アサミ。

アサミを すぐそこの
POOLに 落とした。

キャーーーー。『ザバンッ!』

予想通り、
水中眼鏡無しで勢いよく
投げ込まれた衝撃で
アサミのコンタクトが
片目
外れた!!

『ザバアン!』

今度はケイが水飛沫を
上げて、飛び込み
アサミの体に抱きついて
その顔のメイクを擦り落とす。

「顔。やっぱり全然、image違う
じゃないか。ウソしてたな。」

間違いない。 I found it アザミだ!

「人のことさ、言えないよね!」

アザミのクールな声と共に
ケイの腹には思いっきり
アザミの足で蹴り上げられた
衝撃が走って、

ケイは腹筋を締めた。

『グッ』

水の中でもパワーがある
蹴りに
変な声を出して、ケイは
思わず丸まった。
その隙に
思いっきり反動をつけて
水からガセボサイドに
アザミは軽やかに上がる。

「ケイ!何がしたいのさ!本当に
質が悪いよ 貴方。余計な事しないでよ!わたしもさ、キレるよ。」

もう取り繕いもない
アザミが、
素で 罵倒してくる。

当然だな。

「ごめん。アサミ。でも、
マスカレードじゃ 悲しいだろ」

只てさえ、避けられているんだ。

珍しく人生で
そうした事が、ない
愁傷な顔をしていると
ケイ自身も感じながら
アザミを 水の中から見上げる。

「やめてよ」

怒りで震えているのが
アザミの声でわかっても、

ケイは

「もっと、話がしたいだけだ。」

しつこかった。
オレが 驚くぞ。

「帰ります。」

文字通り、アザミは
EARTH POOLを飛び出して、
その後ろ姿を見送った
ケイは、

EARTH POOLに 仰向けて
大の字に浮かぶ。

「 I'm dead 、、サイテーだな。」

マアフ カン サヤ、、
それでもやっと見つけたんだ。
I don't want to let go。

考えろ!オレ!!

見上げた天井に『ティカ』が
飛んでいる。

意識されないより、よっぽどマシ
だろ、ティカ。