あ、アレって……。
でも、確かに護衛がリズって人だと心配だよね。
 チャラくて何を考えているか分からない。
信用となると……難しいかもしれないわね。

 私は、苦笑いする……。
するとカップケーキを食べ終わった煌君は。

「あ、でも信用出来ないといえば、お前のところの主もどうなんだよ?」

「主……?」

「妖精界の長……キョウ様って奴だよ!
 俺ら獣族でも恐れられている存在だぜ?
親父や上の奴らも、かなり警戒している……。
 獣族の中では、俺らよりも冷酷で非道な性格だと言われているんだぜ?」

「えぇっ……!?そ、そんなことないもん。
キョウ様は、慈悲深くて優しい人なんだよ!!」

 私は、慌てて否定をした。
しかし、自分もよく知っている訳ではない。
 転生して日が浅いのもあるが、そこまで親しい間柄でもないからだ。

 父親と娘としての間柄ではあるが……。
キョウ様は、確かに妖精界でも絶対的な権力を持っている。
 逆らう人なんて見たことがないほどに。
私もその圧倒的な権力に怖いと思ったこともある。

 だが悪く言う人は、1人も居ない。
それは、妖精界の安全を確かに守っているのと、あのカリスマ性に人は、憧れを抱いているからだ。
 あの圧倒するような美しさと神々しいオーラに誰が逆らおうと思うものか……?

「何か信用ならねぇーんだよな?あのキョウ様って奴。
 獣族との和解を望んでいるみたいだけど、やっていることが真逆だしさ……。
 むしろ圧倒的な圧力で俺らを潰そうとしているようにしか見えないと親父も言っていた」

 違うと言いたいが違うとも言いきれない自分が居た。
キョウ様なら獣族も潰せそうだからだ!
 従わせるほどの能力も権力も持っていそうだ。

 もし争う事になったら私と煌君は、どうなっちゃうのかな?
 一緒に遊べなくなるのかな?
そんなの嫌だなぁ……。

「も、もしもね、争う事になっても私達が変わらずに仲良く居ようね!?
 一緒に遊んだり、お話したりしようね?」

「……そこまで、仲良くねぇーだろ。俺らは」

 するとバッサリと否定される。
そ、それは……そうなんだけど……。
 そんなアッサリ切らないでよ……煌君。