「カレン。その他に用があるのか?」

 ルキア様が強い口調でそう言ってきた。
遠回しに帰れと言っているのが分かる。
 もっと不思議な事を教えてくれる雰囲気はあるものの、これ以上居るとキルア様の雷が落ちそうだ。
 私は、慌てて頭を下げた。

「教えて下さりありがとうございました。
では私は、そろそろ失礼します」

 そして、そのまま小走りで元の来た道に戻った。
キルア様もキョウ様も怖かった……。
 でも不思議なことを聞く事が出来た。
私も出来るようになるのかしら?

 そう思いながらも本家を後にする。
しばらく歩いていると名前を呼ばれた。えっ?
 振り向くと準妖精のルウトとサリーだった。
ルウトは、仲良くなった3歳の男の子でサリーは、同い年ぐらいだ。
 街の人達との距離も成長につれて溶け込み、ルウト達とも仲良くなった。

「本家の近くで何をやっているの?
シン兄ちゃんやルイ兄ちゃんとは、一緒じゃないの?」

「ちょっと蝶々を追ってて……。
あ、ルウトとサリーは、式神って知ってる?」

 ルウトが不思議そうに聞いてきたので、
私は、今日教えてもらった式神の事を質問してみた。
 ルウト達は、知っているのかしら?
するとルウトとサリーは、お互いの顔を見合わせる。

「アレでしょ?紙で作る分身みたいなの。
 私のお父さんも使えるわよ」

「えっ?そうなの!?」

 サリーは、言葉に驚いた。
サリーは、知っているようだった。
 お父さんが使えるとは凄い。
でも、そのはずか……サリーのお父さんは、正妖精だったわね。

「僕も知っているよ。上のお兄ちゃんが使える。
お兄ちゃんのは、鳥の形をしているよ!」

 鳥の形!?それは、また凄い。
ルウトは、三人兄弟の末っ子だ。
 上のお兄さんとは、年が離れているんだっけ?
どうやら2人は、認識があるようだった。