「式神……?」
キョウ様の言葉に私は、きょとんと首を傾げた。
式神とは、一体どのようなモノなのだろうか?
するとキルア様が代わりに説明してくれた。
「紙で作った従者みたいなモノだ。
キョウ様の式神は、蝶々の形をしている。
他にも色々形をしておるが、紙に命を吹き込むのだ」
「紙で作ったの?」
私は、ますます意味が分からなかったが
とりあえずあの蝶々は、本物ではないと理解した。
それを立体化出来るってことよね?凄い……。
するとキョウ様は、私に1枚の紙を見せてきた。
何処から出したのか分からなかったが、普通の紙だ。
「良く見ておくとよい……」
キョウ様がそう言うと紙を手のひらに乗せた。
そして静かに息を吹きかけると紙が、光り出してみるみる内に蝶々の姿になった。
追いかけてきた虹色の蝶々だ!
その蝶々は、羽をパタパタと羽ばたかせて飛んだ。
「うわぁ~綺麗な蝶々!!」
私は、あまりの綺麗な蝶々に感動して声を出して喜んでしまった。
ハッと思った時は、もう遅い。
目上の方の前ではしゃいでしまい、恥ずかしくなる。
キョウ様は、クスッと微笑んでくれたが。
「面白かろう?これが式神じゃ。
これは、自分の分身みたいなものじゃな。
術者の言うことをよく聞く。
蝶々に見た状況を送らせることも出来るから便利でのう。
それなりに力がある者なら誰でも出来る。
そなたも覚えると何かの役に立つかもしれんのう?」
「何かの役に……?私にでも出来るでしょうか?」
「どうかのう?試しに作ってみるとよい」
「は、はい」
もし出来るのなら作ってみたい。
こんな風にモノが形になるなんて凄いことだ。
それが自分の力で出来るようになるのなら試してみたいと思った。