目が覚めるといつもの部屋。
 もはやお約束になってるな~。

「勝者のリュウ様が私より長く気絶しているのは不思議なものですね」
「あ、ティアマトさん。おはようございます」
 このやりとりも久しぶりだ。

「で、ティアマトさんは今日から一緒にいる事になるんですよね?」
「そうですね。私は決闘で負けました。なのでこれからはリュウ様が私の主となります」
「ん?主?」
 主って何?そんなの聞いてないんだけど?

「別に主とか関係ないって」
「いえ関係あります。私は自身の身を賭けた戦いに負けました。リュウ様が主にならないなら私はどうすれば」
「はいはい分かった分かった!主になれば良いんでしょ、ただ堅苦しいのは苦手なんで今まで通りにお願いします」
「しかしリュウ様が私に敬語を使うのは……」
「今まで通りに!」
「はい承知しました。それからドライグ様がお呼びです。何でも精霊王の方から連絡があったとか」
 精霊?何で精霊が出て来るんだ?
 しかも俺に関する事なんだろ?

「わかりました。まず龍皇に話を聞いてみるか」
 てな訳で龍皇が待つ玉座に向かう。

「龍皇、精霊がどうかしたんですか?」
「おおリュウ、すまないな。つい先程精霊王の使いが来て、どうもリュウの力を借りたいらしい」
「精霊王が何で俺の事知ってるんですか?」
「先程の決闘を使い越しに見ていたようでな、おそらく我々ドラゴンの世話になるより人間の方が良いという面もあるのだろう」
 ふーん、精霊王がねぇ。

「で、内容はどんな?」
「どうも人間の密猟者が精霊狩りをしているそうで、森の『妖精亜人《エルフ》』達も被害に会っているとか。精霊は戦力として、エルフは奴隷として捕まえられ、売り捌いているので手が出しにくいので手を貸して欲しいと連絡を受けた。受けるか受けないかは自由だがどうする?」
 う~ん。どうすっかな?
 個人的には早くドワルの所で剣を造って欲しいってのと、単にリル達を危険な所に連れて行きたくないんだよな。

「リュウ、好きにして良いんだよ」
「そうそう、パパの好きにして良いんだから」
「どうせ人間の悪い所は自然と見えてしまうのだ」
 リル、カリン、オウカが後ろにいた。

「お前ら、これは戦いとは違う意味での危険な事だ。エルフを奴隷にする連中が、ろくでもないのは確定だぞ!」
「そんな悪い人間は殺す」
「焼き殺しちゃって良いよね?」
「触れられる前に殴って良いよな?」
 こいつら……人が心配してるってのに。
 過激な事言いやがって。

「リュウ様、我々は大丈夫です。どこでも付いて行きますよ」
 あーこいつら精神強すぎ、色々危険な事態を想定してくれよ。

「不安だからオウカとティアマトさんも魂の契約をしてもらいます。異論は認めません」
「私も……魂で……」
「リュウ様、一生よろしくお願いいたします」
オウカは魂の契約に何故か強い思いがあったよう。
ティアマトさんはより忠誠を深くしたみたい。

「ならちょっと寄り道して精霊に恩でも売っておくか」
「では精霊王に伝えておく。連絡が来るまでゆっくりしていくと良い」
 さてと、それじゃ次は精霊でも助けてやるか。

【後書き】
カード情報を更新しました。
『五感強化』『第六感』が統合、進化した結果『生存本能』が追加されました。
更にスキル『魔賢邪龍《アジ・ダハーカ》』が追加されましたが、魂の修復中のため一部のみ使用可能です。
『蒼龍女王《ティアマト》』と『緋銀龍王女《オウカ》』を魂の契約によって従魔に成功しました。
よって現在のカード情報は
名前 リュウ
職業 調教師
性別 男
年齢 17
スキル『調教師』『短剣使い』『身体能力強化』『生存本能』『魔賢邪龍』『魔力探知』『念話』『自己再生』『覇気』『毒無効』『麻痺無効』『精神攻撃耐性』
魔術 火水風魔術 魔力放出
従魔 リル カリン オウカ ティアマト