なんだかんだでティアマトさんの修行が始まって5日経った。
「おらっ‼」
この日もティアマトさんとの組手をしていた。
『なかなかの拳になりましたね。では私ももう少し出力を上げましょう』
こんな調子で一度もティアマトさんに勝ててない。
漸く近付いたと思ったら直ぐ引き離される事を繰り返してた。
いや本当にこの人強すぎ。
長距離から魔力放出で攻撃しても全く堪えないし、直接殴っても鱗が固くて目立ったダメージもなし。
一応無駄の無い拳は修得しつつあるらしいがまるで実感が無い。
でもまぁ最初の頃のようにヘトヘトになってないだけある程度は強くなった気はする。
『はぁっ‼』
ついでにデカい相手の攻撃のいなし方も分かってきた。
力は要るが意外とやり方は変わらず相手の動きに合わせる事でできる。
と言っても正直さっさと躱して前屈みになった所にでも一撃くらわす方が良い気がするけど。
「チェスト‼」
とりあえず今日も頑張ってます。
「今日此処までですね」
「ありがとうございました」
「ふふ、今日もリュウ様はご成長なされた様ですね」
「そう……ですか?」
「はい。初日に比べて拳が日に日に重くなっています、実は時々私の手が痺れた時もあったのですよ」
「本当ですか!?」
「本当です」
よーしよーし、これは着実に修行の成果が現れてるって事だよな!この調子ならアジ・ダハーカに一撃ぐらいは入れられるんじゃね!?
「それから明日は特別にお休みにします」
「え、良いんですか?」
「はい。リュウ様の成長速度は目を見張るものがありますし、一度ゆっくりと休むのも修練です」
ティアマトさんが言うと説得力は有るが一気に鈍ったりしないよな?
「ではリュウ様、明日はゆっくりとお休み下さい」
………それじゃぁ……観光でもしよっかな?
次の日、修行期間で初めてのお休みだったがいつも通りに日の出と一緒に起きた。
そりゃ前からこの時間帯に起きてたがここまで意識がはっきりしてるのは修行が始まってからだ。
朝食の時間は変わらないのでこの際散歩でもしようと外に出る。
いつもティアマトさんに踏みつけられる恐怖を感じながら走った町は意外と静かだった。
どうも必死に走っていたせいであまり町をよく見てなかったよう。
パン屋、精肉店、武器屋など様々な店がある。
とりあえず今日は休みなので寄ってみたい所はチェックしておく。
リルとカリンに土産も買っておきたいしな。
そんな事を考えながら町を一周して城に戻った。
朝飯後、早速町行こうとした時、面倒事が起きた。
俺にとって滅茶苦茶面倒な事が起こった。
大事な事なので二回言わせてもらった。
で、何が面倒なのかと言うと………
「…………」
何故か王女が一緒にいることだったり………
今朝ティアマトさんが俺に珍しく頼んできた。
どうもアジ・ダハーカ対策の話でティアマトさんもご意見番として呼ばれたとか。
それでいざというときのストッパーとして俺が選ばれた。
いや普段から飯やら修行やら世話になってるから断れないんだよね。
「で、お前はどうしたいんだ?なんか目的とかあんの?」
俺の部屋のイスに座って意外と大人しくしている。
「………なら教えてくれ。お前は何故そこまで力を求める?」
……突然だな。
「まぁなんだ、昔知り合いに言っちまったんだよ。強くなるって」
「だから何故?」
「当時は色々あったんだよ、ダチ二人が戦闘系の職業になって俺だけが普通……いや寧ろ不遇な職業だったからな。はっきり言って安全だけどつまらないって方があってるかも」
「そういえばお前の職業は聞いてなかったな。お前の職業はなんだ?」
「調教師」
「え」
「だから調教師だって」
「そんなわけあるか!調教師が私に勝てるなど……」
どした?急に勢いが無くなって。
「本当なのか、調教師だったのか」
「突然信じてどうした?」
「ふん、嘘か本当かぐらい私にも分かるのだ。それでなにか戦闘職に憧れでもあったのか?」
「特にねーよ。たださっき言ったつまらないってのに繋がるんだろうよ。けど今は違うぞ、嫁がいるから嫁を護るために強くなるって決めた」
「嫁!?結婚してたのか‼」
「ま、ごく最近だけどな」
「そう……だったのか」
「そこまで意外か?」
そんなに俺に嫁がいちゃダメか?
「うむ、お祖母様が私をその、あれだお前が私の婿になればこの国も安泰だと言っていたのでな。てっきり独身だと……」
「はぁ!?なにそれ、俺一言もそんな話聞いた事無いけど‼」
ティアマトさんが裏でそんな事を企んでいたとは、やっぱりティアマトさん恐ろしい人‼
「とにかく!お前には嫁がいるなら自然と話は消えるはずなのだ、多分」
多分か……ティアマトさん国の事になると結構凄い事するからな。
「ま、いっか。俺はちょっと町で土産でも買って来るけどお前はどうする」
「一緒に行くに決まっている‼」
では一緒に買い物に行きますか。
「おらっ‼」
この日もティアマトさんとの組手をしていた。
『なかなかの拳になりましたね。では私ももう少し出力を上げましょう』
こんな調子で一度もティアマトさんに勝ててない。
漸く近付いたと思ったら直ぐ引き離される事を繰り返してた。
いや本当にこの人強すぎ。
長距離から魔力放出で攻撃しても全く堪えないし、直接殴っても鱗が固くて目立ったダメージもなし。
一応無駄の無い拳は修得しつつあるらしいがまるで実感が無い。
でもまぁ最初の頃のようにヘトヘトになってないだけある程度は強くなった気はする。
『はぁっ‼』
ついでにデカい相手の攻撃のいなし方も分かってきた。
力は要るが意外とやり方は変わらず相手の動きに合わせる事でできる。
と言っても正直さっさと躱して前屈みになった所にでも一撃くらわす方が良い気がするけど。
「チェスト‼」
とりあえず今日も頑張ってます。
「今日此処までですね」
「ありがとうございました」
「ふふ、今日もリュウ様はご成長なされた様ですね」
「そう……ですか?」
「はい。初日に比べて拳が日に日に重くなっています、実は時々私の手が痺れた時もあったのですよ」
「本当ですか!?」
「本当です」
よーしよーし、これは着実に修行の成果が現れてるって事だよな!この調子ならアジ・ダハーカに一撃ぐらいは入れられるんじゃね!?
「それから明日は特別にお休みにします」
「え、良いんですか?」
「はい。リュウ様の成長速度は目を見張るものがありますし、一度ゆっくりと休むのも修練です」
ティアマトさんが言うと説得力は有るが一気に鈍ったりしないよな?
「ではリュウ様、明日はゆっくりとお休み下さい」
………それじゃぁ……観光でもしよっかな?
次の日、修行期間で初めてのお休みだったがいつも通りに日の出と一緒に起きた。
そりゃ前からこの時間帯に起きてたがここまで意識がはっきりしてるのは修行が始まってからだ。
朝食の時間は変わらないのでこの際散歩でもしようと外に出る。
いつもティアマトさんに踏みつけられる恐怖を感じながら走った町は意外と静かだった。
どうも必死に走っていたせいであまり町をよく見てなかったよう。
パン屋、精肉店、武器屋など様々な店がある。
とりあえず今日は休みなので寄ってみたい所はチェックしておく。
リルとカリンに土産も買っておきたいしな。
そんな事を考えながら町を一周して城に戻った。
朝飯後、早速町行こうとした時、面倒事が起きた。
俺にとって滅茶苦茶面倒な事が起こった。
大事な事なので二回言わせてもらった。
で、何が面倒なのかと言うと………
「…………」
何故か王女が一緒にいることだったり………
今朝ティアマトさんが俺に珍しく頼んできた。
どうもアジ・ダハーカ対策の話でティアマトさんもご意見番として呼ばれたとか。
それでいざというときのストッパーとして俺が選ばれた。
いや普段から飯やら修行やら世話になってるから断れないんだよね。
「で、お前はどうしたいんだ?なんか目的とかあんの?」
俺の部屋のイスに座って意外と大人しくしている。
「………なら教えてくれ。お前は何故そこまで力を求める?」
……突然だな。
「まぁなんだ、昔知り合いに言っちまったんだよ。強くなるって」
「だから何故?」
「当時は色々あったんだよ、ダチ二人が戦闘系の職業になって俺だけが普通……いや寧ろ不遇な職業だったからな。はっきり言って安全だけどつまらないって方があってるかも」
「そういえばお前の職業は聞いてなかったな。お前の職業はなんだ?」
「調教師」
「え」
「だから調教師だって」
「そんなわけあるか!調教師が私に勝てるなど……」
どした?急に勢いが無くなって。
「本当なのか、調教師だったのか」
「突然信じてどうした?」
「ふん、嘘か本当かぐらい私にも分かるのだ。それでなにか戦闘職に憧れでもあったのか?」
「特にねーよ。たださっき言ったつまらないってのに繋がるんだろうよ。けど今は違うぞ、嫁がいるから嫁を護るために強くなるって決めた」
「嫁!?結婚してたのか‼」
「ま、ごく最近だけどな」
「そう……だったのか」
「そこまで意外か?」
そんなに俺に嫁がいちゃダメか?
「うむ、お祖母様が私をその、あれだお前が私の婿になればこの国も安泰だと言っていたのでな。てっきり独身だと……」
「はぁ!?なにそれ、俺一言もそんな話聞いた事無いけど‼」
ティアマトさんが裏でそんな事を企んでいたとは、やっぱりティアマトさん恐ろしい人‼
「とにかく!お前には嫁がいるなら自然と話は消えるはずなのだ、多分」
多分か……ティアマトさん国の事になると結構凄い事するからな。
「ま、いっか。俺はちょっと町で土産でも買って来るけどお前はどうする」
「一緒に行くに決まっている‼」
では一緒に買い物に行きますか。