真面目そうな門番の隣を通りすぎ、龍皇が居る玉座の間の前まで案外あっさり来た。
「てっきり身体検査とか色々面倒なものがあると思った」
実際フォールクラウンでは身体検査はあったから今回もあると考えたがここには無い。
「そんなことしても意味無いよぉ。魔物相手に言ったらぁ切りがないしねぇ」
あ、そっか。
人間相手なら道具を取り上げれば無力化出来るかもしれないが魔物相手じゃ意味が無い。
なんせ爪や牙、はたまた炎やら毒やら吐き出す連中も居る。
それじゃぁ奪ったところで意味が無いと思っても仕方ないか。
「ところで今更だと思うが龍皇の種族とか俺知らないんだけど」
「そういえば言ってなかったの」
爺さん…オルムさんが爺さんの代わりに説明してくれた。
「龍皇はぁ『火炎龍』の進化種で『緋焔龍』って種族だよぉ」
「それって…どのぐらい強い?」
「スッゴく強いよぉ。火炎龍の……どのぐらいだろう?」
「分かりやすく儂とどっこいどっこいとでも思っておけば良いじゃろ」
爺さんと同じレベルか、なら逆立ちしても俺には勝てないな。
「そんな奴が色んな種族集めて戦争とか、どんだけ面倒なんだよ。アジ・ダハーカって奴は」
「奴は増殖するスキルと魔術が厄介なんじゃ。実際戦いながら自身の治癒までするような奴じゃしの」
つまりあれか?こっちが傷付けた分だけ増えたくせに自分の怪我治すってか!?
厄介過ぎる、面倒臭すぎる。
「何で封印解けてんだよ!一生封印させとけ勇者‼」
「封印したのはその時の『賢者』だったがな」
親父さん!その情報正直どっちでもいいです‼
「解けたものはしたないよぉ。それに今は勇者に任せられないからねぇ」
「そういや……こういう時こそ勇者様のご登場だろ。勇者はどうした?」
「どうもぉ、今回の勇者はやたら魔物の類いを敵視してるんだよぉ。おかげで僕達がするしかないんだよぉ」
困った様に……いや本気で困ってる。
今の勇者はティア、あいつは……大の魔物嫌いだ。
タイガの奴が言ってたが、どうもあいつが相手してきた魔物は知性も理性も無いただの獣同然の連中ばかり戦ってきたらしい。
そんな存在が小さな村や町を襲って人々を喰らってきたのを見てきたので魔物=知性のない存在として見ている.
おかげで魔物はただの醜悪な生物としか見ていない。
「あれじゃ逆に後ろから刺されるな」
「だよねぇ」
沈黙がこの場を支配した。
しばらく沈黙していると立派な兵士が来た。
「お時間です」
そう言うと扉が厳かに開いた。
「みんなぁ、フェンリルとその息子君以外は後ろで横一列になって待っててねぇ」
つまりボスは前で従者は後ろに居ろって事か。
ま、俺は特に話すこともないから楽だけど。
「オルムさん、後ろに居るときは膝とか付いてた方が良いのか?」
「ううん。しなくて良いよぉだってぇ今回は龍皇の方がぁお願いしてきたんだからぁ」
「そっか、それじゃ普通に立ってるな。ありがと、オルムさん」
「お礼なんて良いよぉ」
でも何か嬉しそうなオルムさんだ。
扉が完全に開いた後俺達は部屋に入った。
フォールクラウンの様にたくさんの近衛兵は見当たらず、ぽつりぽつりといた。
戦争の準備でもしてるのか、それともただ単に龍皇を守るには相当な実力が必用なだけなのか。
少し歩くとすでに龍皇と思われる人が玉座に座っている。
緋色の髪に鋭い金色の目、筋骨隆々な肉体、そして何よりあいつが纏ってるオーラがかなりの密になっていてかなりヤバい!
その隣にいる女性もかなり危険だ。
白銀の髪に柔らかい瞳、細く白い肌、そんな優しそうな女性だが俺には分かる。
あの人は隣にいる龍皇と同じレベルに達している人になるのだろう。
「『龍皇《ドライグ》』、連れてきたよぉ」
「ミドガルムズオルム、礼を言う。まさかここまでの強者を連れてくるとは思っていなかった」
「僕だってぇできれば兄弟を巻き込みたくなかったけどねぇ。でもここで押さえておかないとぉ兄弟の住処まで危険に巻き込むのは目に見えてたからねぇ」
「しかしただの人間も混じっているようですが?」
うっわ、ここでもかよ。
「大丈夫だよぉ『龍皇女《グウィバー》』。彼は僕達ほどでは無いけどドラコ・ニュートよりは強い」
「そうですか。すみませんね、あまり強い人間には会った事は無いもので」
「い、いえ。弱い種族ですのであまり気にしないでください」
「あら、認めるのですか?」
「はい、私も爺さん…じゃ、なくてフェンリルに鍛えられる前はとても弱かったので」
「ふふ、そうですか」
「んん」
龍皇が咳払いしたので俺とグウィバーさんの話は終わった。
「フェンリル殿達にはこれより今いる種族で作戦会議をしたい、ご同行いただけるだろうか?」
「儂等は構いませぬ」
「この会議で我らの命運が係っていますので是非」
「では他の方々には部屋をご用意しています。そちらでお休みください」
俺たちは休んであととはボス同士で会談って感じか。
「どうぞこちらへ」
グウィバーさんが声をかけてくれたので、残った俺たちはこの場を後にした。
「てっきり身体検査とか色々面倒なものがあると思った」
実際フォールクラウンでは身体検査はあったから今回もあると考えたがここには無い。
「そんなことしても意味無いよぉ。魔物相手に言ったらぁ切りがないしねぇ」
あ、そっか。
人間相手なら道具を取り上げれば無力化出来るかもしれないが魔物相手じゃ意味が無い。
なんせ爪や牙、はたまた炎やら毒やら吐き出す連中も居る。
それじゃぁ奪ったところで意味が無いと思っても仕方ないか。
「ところで今更だと思うが龍皇の種族とか俺知らないんだけど」
「そういえば言ってなかったの」
爺さん…オルムさんが爺さんの代わりに説明してくれた。
「龍皇はぁ『火炎龍』の進化種で『緋焔龍』って種族だよぉ」
「それって…どのぐらい強い?」
「スッゴく強いよぉ。火炎龍の……どのぐらいだろう?」
「分かりやすく儂とどっこいどっこいとでも思っておけば良いじゃろ」
爺さんと同じレベルか、なら逆立ちしても俺には勝てないな。
「そんな奴が色んな種族集めて戦争とか、どんだけ面倒なんだよ。アジ・ダハーカって奴は」
「奴は増殖するスキルと魔術が厄介なんじゃ。実際戦いながら自身の治癒までするような奴じゃしの」
つまりあれか?こっちが傷付けた分だけ増えたくせに自分の怪我治すってか!?
厄介過ぎる、面倒臭すぎる。
「何で封印解けてんだよ!一生封印させとけ勇者‼」
「封印したのはその時の『賢者』だったがな」
親父さん!その情報正直どっちでもいいです‼
「解けたものはしたないよぉ。それに今は勇者に任せられないからねぇ」
「そういや……こういう時こそ勇者様のご登場だろ。勇者はどうした?」
「どうもぉ、今回の勇者はやたら魔物の類いを敵視してるんだよぉ。おかげで僕達がするしかないんだよぉ」
困った様に……いや本気で困ってる。
今の勇者はティア、あいつは……大の魔物嫌いだ。
タイガの奴が言ってたが、どうもあいつが相手してきた魔物は知性も理性も無いただの獣同然の連中ばかり戦ってきたらしい。
そんな存在が小さな村や町を襲って人々を喰らってきたのを見てきたので魔物=知性のない存在として見ている.
おかげで魔物はただの醜悪な生物としか見ていない。
「あれじゃ逆に後ろから刺されるな」
「だよねぇ」
沈黙がこの場を支配した。
しばらく沈黙していると立派な兵士が来た。
「お時間です」
そう言うと扉が厳かに開いた。
「みんなぁ、フェンリルとその息子君以外は後ろで横一列になって待っててねぇ」
つまりボスは前で従者は後ろに居ろって事か。
ま、俺は特に話すこともないから楽だけど。
「オルムさん、後ろに居るときは膝とか付いてた方が良いのか?」
「ううん。しなくて良いよぉだってぇ今回は龍皇の方がぁお願いしてきたんだからぁ」
「そっか、それじゃ普通に立ってるな。ありがと、オルムさん」
「お礼なんて良いよぉ」
でも何か嬉しそうなオルムさんだ。
扉が完全に開いた後俺達は部屋に入った。
フォールクラウンの様にたくさんの近衛兵は見当たらず、ぽつりぽつりといた。
戦争の準備でもしてるのか、それともただ単に龍皇を守るには相当な実力が必用なだけなのか。
少し歩くとすでに龍皇と思われる人が玉座に座っている。
緋色の髪に鋭い金色の目、筋骨隆々な肉体、そして何よりあいつが纏ってるオーラがかなりの密になっていてかなりヤバい!
その隣にいる女性もかなり危険だ。
白銀の髪に柔らかい瞳、細く白い肌、そんな優しそうな女性だが俺には分かる。
あの人は隣にいる龍皇と同じレベルに達している人になるのだろう。
「『龍皇《ドライグ》』、連れてきたよぉ」
「ミドガルムズオルム、礼を言う。まさかここまでの強者を連れてくるとは思っていなかった」
「僕だってぇできれば兄弟を巻き込みたくなかったけどねぇ。でもここで押さえておかないとぉ兄弟の住処まで危険に巻き込むのは目に見えてたからねぇ」
「しかしただの人間も混じっているようですが?」
うっわ、ここでもかよ。
「大丈夫だよぉ『龍皇女《グウィバー》』。彼は僕達ほどでは無いけどドラコ・ニュートよりは強い」
「そうですか。すみませんね、あまり強い人間には会った事は無いもので」
「い、いえ。弱い種族ですのであまり気にしないでください」
「あら、認めるのですか?」
「はい、私も爺さん…じゃ、なくてフェンリルに鍛えられる前はとても弱かったので」
「ふふ、そうですか」
「んん」
龍皇が咳払いしたので俺とグウィバーさんの話は終わった。
「フェンリル殿達にはこれより今いる種族で作戦会議をしたい、ご同行いただけるだろうか?」
「儂等は構いませぬ」
「この会議で我らの命運が係っていますので是非」
「では他の方々には部屋をご用意しています。そちらでお休みください」
俺たちは休んであととはボス同士で会談って感じか。
「どうぞこちらへ」
グウィバーさんが声をかけてくれたので、残った俺たちはこの場を後にした。