こうしてアジ・ダハーカと戦争しに行くような事になった訳だが本当に厄介な事になったもんだ。
 そしてその日の夜。

「リュウ、今回は私もお留守番だって……」
「仕方無いって。女の子を護ってなんぼの男の子ってな」
「でも相手が相手だし……」
「あーもう!心配すんな!いざとなったら思いっきり逃げてやるよ!だから待ってろ‼」
 リルが不安で俺から離れなくなった。
 これじゃ下手したら付いてくる可能性がある。
 それだけは回避しないと。
 リルはそれでも離れずずっと俺にくっついて怯えてる。

『私は行かなくて良いの?』
「カリンもダメ。生まれて間もないお前が行っても勝てない」
『でも私の炎はドラゴンにダメージを与えやすいよ?』
「それでもダメ。今回の敵は傷付ければ傷付けた分だけ敵が増えるみたいだから、あんまり大技決めると逆に敵が増えて大変何だよ」
 カリンも俺の肩に止まって離れない。
 どうしたもんかな?今回は本当に危険過ぎる。

 だから誰かを護る余裕なんて何処にも無いし、それにこの子達は俺の事を好きすぎる。
 もし俺の身を案じて二人が傷付くのはもっと嫌だ。
 それに二人は雌、そのうち子孫を残す事が出来る存在を戦場に出したくない。
 だから色々言い訳を言ってここに残そうとしているが聞いてくれない。

『リル、そしてカリン殿。リュウをあまり困らすな』
 何故か親父さんがそこにいた。

 戦闘以外で『魔力探知』は使ってないからいい加減普段から使ってた方がいいかも。

「お父様、しかし」
『しかしも何もない。その男は弱いなりにお前達を護ろうとしているのだ、それに気付かぬ程お前達は愚かなのか?』
 リルとカリンは黙ってしまった。
 きっと分かっていても止めたかったのだろう。

『ならお前達に仕事をやろう。お前達はこの群れを護れ。その男と我々は必ず帰る。それだけだ』
 親父さん……

「…………分かった」
『…私も……分かりました』
『なら良い』
 親父さんはそのまま奥さんの所に戻ろうとする。

「親父さん」
 その前に声を掛けた。

『何だ』
 足を止めたが振り返らない、でも俺は気にせず言った。

「ありがとな」
『ふん。私は娘を戦場に行かせたくないだけだ。貴様に礼を言われる筋合いは無い』
 それだけ言うと奥さんの方に向かって行った。
 妻子持ちは強そうだな。

 となると、やっぱり問題は俺か~。
 伝説ばっかりいるような戦場に向かわないと行けないんだからな~。

「リュウ、もう寝るの?」
「ん?まぁそうだな。明日は早くに龍皇国に行くらしいし」
「……そう」
 ……いやどしたのリルさん?じっと俺の顔を見て。

「パパ、今日は一緒に寝ても良い?」
 カリンまで人の姿に戻ってどうした。

「まぁ良いよ。一緒に寝るぐらい」
 すると二人はちょっと顔を赤くしてくっついた。
 どうした?いつも一緒に寝てるのに?
 リルとカリンは何かよそよそしいと言うか、何と言うか?
 するとリルとカリンは何か覚悟を決めた様な表情で言った。

「「私達に赤ちゃんをください‼」」

 ……………………は?

 ちょっと待て、突然過ぎやしないか?
 いや二人が俺の事をそう言う意味で好きなのは知ってる。
 俺もそこまで鈍感じゃない。
 でも何でこのタイミングなんだ!?

「ダメ……なの?」
「パパ……」
「あ、いやごめん。ちょっと混乱してた。俺自身は嫌じゃない。それにお前ら美人だし、性格も良いし、俺達の相性も何となくいい気がするし、でも出来るのか?子供?」
 やっべ、まだ混乱してる。
 何でそこで子供が出来るかを聞く!?

「「出来る‼」」
 あ、出来んだ。

 じゃなくて‼

 そりゃこんな美人さん達とエロい事出来んのは願ったり叶ったりだけどこんな軽い感じでヤって良いの!?

「リュウ…しよ?」
「パパ…お願い……」
「ああもう!分かった、分かりましたよ‼俺も覚悟決めさせてもらいますよ‼ただしお前らは絶対浮気とかするなよ!俺は独占欲は強い方です‼」
「「よろしくお願いします‼」」

 …………………何でこうなった?