またギャラリーいっぱいの試験になった。
今回はただの試し切りなのでどっちかと言うと周りが巻き込まれないか、の方が不安だったりする。
「今回もまた随分と集まったな」
『危険なのに何で来るんだろう?』
「あんまり面白い事が少ないんじゃない?特に普通の市民の人達は」
それも有りそうだな。
前回はドワル達を護るために集まった兵士達が多かったが今回は完全に野次馬の方が多い。
きっと前回の名付けが面白おかしく伝わったのだろう。
「ま、今回はそれだけじゃ無さそうだけど」
「どういう事?」
カリンが聞いてきたので軽く前回とは違う連中に目線を送った。
「あいつらはギルドの連中だ。多分俺を勧誘したいんだろ」
「勧誘?仲間にしたいって事?」
「簡単に言うとそんなとこだな。大方俺達が狩って食った飯のおこぼれにあやかろうとしてんだろ」
カリンはよく分からないみたいなので俺なりのあいつらの思考を予測する。
俺達が狩って食った魔物は大抵はB級冒険者のパーティでは命からがらの戦いになる。
しかし俺達はそれらを簡単に狩ってくる。しかも普段はそれらをそのまま放置している。その素材になる骨や革を売って欲しい、と言う事だと俺なりに話す。
「お肉じゃ無いところが欲しいなんて変なの」
『まるで死肉を貪る獣ね』
リルが嫌そうな顔をした。
「仕方ねぇよ。人間は弱っちいんだよ」
それだけは言える。確かに人間は弱い、俺も弱いから武装を整えてるためにこの国に来たんだから。
「そろそろ始めてくれ」
ドワルが俺達に言った。
「軽くで良いか?」
『どうせなら本気でやらない?今のリュウの本気を試してみたい』
「私もパパの本気見たい!」
……全く、ギャラリーがいるからできれば本気は見せたくなかったが、リルとカリンが本気を見せろと言われたら本気を出すしかないか。
「ドワル!もう少しギャラリーを遠ざけてくれ!お嬢とカリンが本気出す!」
ドワルはゾッとしたのか直ぐに「全員退避‼」と本気で遠くに離れた。
ギャラリーが離れたのを確認して二人に言った。
「それじゃリル、カリン本気で遊ぼうか」
『よろしくお願いします、リュウ』
「わーい!パパが本気で遊んでくれる‼」
リルは組手の礼をするように、カリンは無邪気に魔力を上げる。
そして勝負はいきなり始まった。
リルは俺に噛み付くように牙を剥き出しにして大口を開けながら迫ってくる。
俺はスキル『魔力探知』『第六感』で大体の攻撃してくる位置を予測、更に普通に動けばついていく事すら不可能なので『身体能力強化』を平行して使用する。
これでリルとカリンを相手する最低限の準備は出来た。
噛み付こうとするリルの攻撃をバックステップでかわす。
そこにカリンの羽が襲う、二人同時に攻撃出来るとは思って無かったな。
羽は手で捌くことで防いだがこれ本気でヤバイ。
一人ずつ相手した時よりかなりヤバイ。まさかいきなりこんな連係出来るとは本当に思って無かった。
となると一度二人を離す必用があるな、二人同時に攻略とか今の俺には無理。
それじゃさっそく脇差の威力を試してみるか。
リルとカリンは脇差の威力を見たいからか、少し離れたところで警戒してる。
ならやってみるか、居合いと言われる剣を抜くと同時に攻撃する技を試してみよう。
鞘に入った状態で魔力流す、爺さんの牙だった時からずっと使っているから加減は知り尽くしてる。
さて二人の間を通すように脇差を振り抜く!
………あれ?何も起こらない?
何でだ?確かに上手くってうお!?
リルがいきなり襲ってきた!
しかし脇差でリルの爪を防ぐ事が出来た。
次はカリンの蹴りが連続で襲ってくる!
カリンの蹴りは鷲の爪での攻撃のせいかメッチャ痛い。
って鳩尾に入った!
「げほ!がは‼」
服のおかげで穴は空かなかったが素だったら風穴空いてっぞ。
蹴り跳ばされたから少しっ‼
ここで来るかリルの踏みつけ!回避できな‼
「グハ‼」
思いっきり踏まれた。
これじゃ負けだな。
「参った。俺の負けだ」
そう宣言すると脚を退かしてくれた。
「あーまだ勝てないか」
『それよりあれ何よ!あの斬撃は!?』
「斬撃?ああ成功してたんだ」
「パパ、あれって本気で殺す気あった、無かった?」
「?あるわけ無いだろ」
するとリルとカリンは思いっきりため息をついた。
え、何でそんな反応する?
『あれを見て』
あれ?………ただの青空にしか見えねぇ。
『あの雲、形が変でしょ』
あ~あの雲ね。確かに変だが?
「あれね、パパがやったの」
は?俺が雲を切ったとでも言うのか?って二人の反応を見る限り本当みたいだな。
「……マジか」
『マジよ』
「マジだよ。おかげで全力出さないといけなかったもん」
あ~それで容赦無しの猛攻だったのですか。
「でもリュウも強くなったじゃない」
って何で人の姿になる!?
「いい加減隠さなくても良いでしょ。あのドワーフ達は信用できる」
ははは、フェンリルのお嬢様から信用を得ましたか。
「リルが良いなら構わない」
その後俺は情けなく二人に肩を貸して貰いながら戻った。
今回はただの試し切りなのでどっちかと言うと周りが巻き込まれないか、の方が不安だったりする。
「今回もまた随分と集まったな」
『危険なのに何で来るんだろう?』
「あんまり面白い事が少ないんじゃない?特に普通の市民の人達は」
それも有りそうだな。
前回はドワル達を護るために集まった兵士達が多かったが今回は完全に野次馬の方が多い。
きっと前回の名付けが面白おかしく伝わったのだろう。
「ま、今回はそれだけじゃ無さそうだけど」
「どういう事?」
カリンが聞いてきたので軽く前回とは違う連中に目線を送った。
「あいつらはギルドの連中だ。多分俺を勧誘したいんだろ」
「勧誘?仲間にしたいって事?」
「簡単に言うとそんなとこだな。大方俺達が狩って食った飯のおこぼれにあやかろうとしてんだろ」
カリンはよく分からないみたいなので俺なりのあいつらの思考を予測する。
俺達が狩って食った魔物は大抵はB級冒険者のパーティでは命からがらの戦いになる。
しかし俺達はそれらを簡単に狩ってくる。しかも普段はそれらをそのまま放置している。その素材になる骨や革を売って欲しい、と言う事だと俺なりに話す。
「お肉じゃ無いところが欲しいなんて変なの」
『まるで死肉を貪る獣ね』
リルが嫌そうな顔をした。
「仕方ねぇよ。人間は弱っちいんだよ」
それだけは言える。確かに人間は弱い、俺も弱いから武装を整えてるためにこの国に来たんだから。
「そろそろ始めてくれ」
ドワルが俺達に言った。
「軽くで良いか?」
『どうせなら本気でやらない?今のリュウの本気を試してみたい』
「私もパパの本気見たい!」
……全く、ギャラリーがいるからできれば本気は見せたくなかったが、リルとカリンが本気を見せろと言われたら本気を出すしかないか。
「ドワル!もう少しギャラリーを遠ざけてくれ!お嬢とカリンが本気出す!」
ドワルはゾッとしたのか直ぐに「全員退避‼」と本気で遠くに離れた。
ギャラリーが離れたのを確認して二人に言った。
「それじゃリル、カリン本気で遊ぼうか」
『よろしくお願いします、リュウ』
「わーい!パパが本気で遊んでくれる‼」
リルは組手の礼をするように、カリンは無邪気に魔力を上げる。
そして勝負はいきなり始まった。
リルは俺に噛み付くように牙を剥き出しにして大口を開けながら迫ってくる。
俺はスキル『魔力探知』『第六感』で大体の攻撃してくる位置を予測、更に普通に動けばついていく事すら不可能なので『身体能力強化』を平行して使用する。
これでリルとカリンを相手する最低限の準備は出来た。
噛み付こうとするリルの攻撃をバックステップでかわす。
そこにカリンの羽が襲う、二人同時に攻撃出来るとは思って無かったな。
羽は手で捌くことで防いだがこれ本気でヤバイ。
一人ずつ相手した時よりかなりヤバイ。まさかいきなりこんな連係出来るとは本当に思って無かった。
となると一度二人を離す必用があるな、二人同時に攻略とか今の俺には無理。
それじゃさっそく脇差の威力を試してみるか。
リルとカリンは脇差の威力を見たいからか、少し離れたところで警戒してる。
ならやってみるか、居合いと言われる剣を抜くと同時に攻撃する技を試してみよう。
鞘に入った状態で魔力流す、爺さんの牙だった時からずっと使っているから加減は知り尽くしてる。
さて二人の間を通すように脇差を振り抜く!
………あれ?何も起こらない?
何でだ?確かに上手くってうお!?
リルがいきなり襲ってきた!
しかし脇差でリルの爪を防ぐ事が出来た。
次はカリンの蹴りが連続で襲ってくる!
カリンの蹴りは鷲の爪での攻撃のせいかメッチャ痛い。
って鳩尾に入った!
「げほ!がは‼」
服のおかげで穴は空かなかったが素だったら風穴空いてっぞ。
蹴り跳ばされたから少しっ‼
ここで来るかリルの踏みつけ!回避できな‼
「グハ‼」
思いっきり踏まれた。
これじゃ負けだな。
「参った。俺の負けだ」
そう宣言すると脚を退かしてくれた。
「あーまだ勝てないか」
『それよりあれ何よ!あの斬撃は!?』
「斬撃?ああ成功してたんだ」
「パパ、あれって本気で殺す気あった、無かった?」
「?あるわけ無いだろ」
するとリルとカリンは思いっきりため息をついた。
え、何でそんな反応する?
『あれを見て』
あれ?………ただの青空にしか見えねぇ。
『あの雲、形が変でしょ』
あ~あの雲ね。確かに変だが?
「あれね、パパがやったの」
は?俺が雲を切ったとでも言うのか?って二人の反応を見る限り本当みたいだな。
「……マジか」
『マジよ』
「マジだよ。おかげで全力出さないといけなかったもん」
あ~それで容赦無しの猛攻だったのですか。
「でもリュウも強くなったじゃない」
って何で人の姿になる!?
「いい加減隠さなくても良いでしょ。あのドワーフ達は信用できる」
ははは、フェンリルのお嬢様から信用を得ましたか。
「リルが良いなら構わない」
その後俺は情けなく二人に肩を貸して貰いながら戻った。