あれから一週間がたった。

鳥はきちんと飛べるようになったし、今じゃ口から金色の混じった紅い炎を出せるようにもなった。

身体のサイズは既に止まったようで大きくなる様子はない。

最近のお気に入りの場所は俺の肩の上で、よくそこに止まる。
リルも最近はよく俺の膝の上にいる。鳥がお気に入りの場所を作ったからそれに対抗している様にも見えた。

実際俺が片方の頭を撫でていると、もう片方も撫でろと言わんばかりに頭を擦り付けるようになった。

そう言えばドワルの方はどうなったんだろう?少し気になる。国を追い出される事はないと思うがまた牢屋にぶちこめられてないか気になる。

「今日は下山してみるか?」
いつもみたいに二人を呼んで聞いてみた。

「私は良いよ。鳥肉も飽きたし」
「ピィ?」
リルはよさそうだが鳥はよくわかってないみたいだ。

「一度山を下りてドワーフの国に行かないか?」
顔を会わせる様に言ったがやっぱり分かってない。

「ま、行っても問題ないか」
そう呟いてから立つと鳥は俺の肩に止まる。

「ふふ~ん」
リルは俺の腕に腕を絡ませてきた。
さて久し振りのフォールクラウンはどうなったんだか?


山の三合目あたりでリルも人の姿をやめ、今は狼の姿に戻った。
そっからさらに山の麓に着いた俺達。

ドワルは王位の問題が片付いたら迎えに来ると言っていたが、まだ来てないから終わってない可能性の方が大きいか。
入国する場所から堂々と入る訳にもいかないしな。
そう考えていると見たことのある顔があった。

「リュウさんここにいましたか」
詰所のおっさんだった。

「あれ、どうしたんです?」
「どうしたじゃないですよ。ドワル王の命であなたを探していたのですよ!」
探してたっててことはもう終わってたのか?

「そうでしたか、もうゴタゴタは終わったのですね?」
「ゴタゴタ?まぁ私のような下の者には王のする事はよく分かりませんが」
どうも秘密裏に終わらせたようだ。

ま、これでいいのだろう。こそこそしてた事を無理に表に出す必用が無いならそれで良いんだろう。
「それじゃ、また案内お願いします」