飯になりそうな奴を探しながら登ってみると意外といた。
 鉄の鎧を着た鳥や、鉱山特有の蜥蜴頭人《リザードマン》何かもいたり生物は結構いた。ただ旨そうな奴は鉄の鎧を着た鳥ぐらいしかいない。

「旨そうなのいないな」
「本当だね」
 と、言いつつも鳥を焼いている俺。
 なかなか旨そうな奴がいないため山の中腹あたりまで登って今は遅めの昼食の準備をしていた。

「やっぱ場所が違うと食える物と食えない物と色々違うもんだな」
「そうだね。まさかここまで獲物を探すのに時間が掛かるとは思ってなかった」
 本当な。あれだけ探して旨そうなのが一種しか見付からないとは。

「さてもう焼けたかな?」
 少し切って焼き加減を確認しようとしたら。

「ピーピー」
「ん?おっと!」
 あっぶね!踏むかと思ったぞ。このチビ助。

 何かの……雛か?ふわふわの羽毛に包まれた黄色いのはひよこに似てるがサイズは俺の知ってるひよこより一回りデカイ。

「ピー」
 翼をばたつかせながらジャンプするチビ助を見るのは大変可愛いが、ただ火の近くで跳ぶな。危ないから。

「何だお前、腹へってるのか」
「ピー!」
「リル、ちょっとだけこいつに餌やってもいいか?」
「良いけど……その子も従魔にするの?」
「それはもう少し先かな?その時俺といたいなら従魔にするし、野性で生きて行きたいならその時は放すさ」
「多分付いてくると思うなぁ」
 何か不満そうにしてるが俺はリルを手放す気はないぞ?

「てかこいつ肉食えんのか?」
 肉を見てバタバタしてるが本当に大丈夫か?

「とりあえずあげてみたら?」
 そりゃそうだが……とりあえず手に乗っけた肉を近付けると啄みながら食べ始めた。

「本当に食ったよこいつ」
「なら一安心。私達も食べよ」

 身体が小さいせいかほんの少しの量で腹が膨れたようで、うとうとし始めたので居なくならないように懐に入れてから俺も飯を食い始めた。