２０３４年 ５月１日 彗星にて―

本当に時間が過ぎるのは早い。もう、女王に呼び出されて、３時間程度経っている。本当にやめて欲しい。眠いな。と思っているといきなり隣から声が聞こえて来た。
｢新一さん今日これから決行します。｣
その声は、どう考えても蓮だった。ただ、心配だったことがあったので私は聞くことにした。
｢作戦はどうする。｣
その瞬間頭が痛くなり脳内で蓮の声が聞こえた。
(自分で適当に考えて。それじゃあ行きますよ。)
(はいはい。)
返事をするより前に蓮は私の隣で赤黒くドロッとした液体の、水たまりを作っていた。
｢蓮！｣
｢変に目論むと全員死ぬぞ。｣
｢お前は本当にバカだ。｣
｢もういやっ！｣
｢亜紀！大丈夫か？｣
｢大丈夫なわけない。もう無理やだ、逃げたい。｣
｢じゃあ私と共に逃げるか？｣
そんなふうに聞いてみると亜紀の顔がパァッと明るくなった。やっぱり亜紀は、笑顔が似合う。
(この先、命の保証は出来ない。今日伝えてしまおうか。)
そんなことを考えていると亜紀は、了承の伝を私に話した。
｢一緒に逃げる。｣
｢そうか、では時間が無い、早く。｣
｢えっ、ちょっと！｣
私は、亜紀の制止も聞かずに走り出した。幸い、亜紀の足もそれほど遅いわけではなかったらしく３００ｍほど走っても何とか耐えられたらしい。