2030年 4月1日 彗星にて―


魔王城
私は、目隠しを付けたままどこか知らない所へ運ばれた。
「女王様、今回連れてこられたのはこの2名だけでした。申し訳ございません。」
「お前はもう下がって良い。」
人間でない他の生物の声が会話をしていたが、私は怯えすぎて声が出せずにいた。特に威圧感がある、声は今にも耳が裂けそうなほど心地の悪いモノであった。
女王と呼ばれていた女に、私はいきなり目の前の障害物を外され目の前がクリアになったと同時にびっくりした。
その女は、足は50本以上生えており、顔は人間であるのだ。そんな中で1番驚いたのは目である。その目はルビーに寄せた赤に中には青い炎が燃えていた。なぜか、気持ち悪いはずなのにその反面安心しているような、気持ちになっていた。1度見たことがある気さえした。すると、いきなり耳を劈くような声が聞こえてきた。
「お前達は何をしに来た?」
その言葉で気づいた、私の他にもう1人いたことを。私は、相手に悟られないよう恐る恐る隣を見ると、よく見る横顔が見えた。
「何をしに来たも何も勝手に連れてこられたんだけど。」
その減らず口を聞いた時私はその声の正体が分かった。
「翔太!お前も連れてこられたのか?」
「おぉ。新一もかよ。」
「いや、いきなり目の前が光ってよ〜。」
私たちが話し込んで女王の声を聞いていなかった事に怒ったのか、女王がいきなり先程より大きな声で言った。
「お前らは、これからこの惑星の奴隷だ!」
「はぁ?!」
翔太のせいなのかそれとも私達自身のせいなのかこの惑星の奴隷にされてしまったようだった。
これが私達がこの惑星に来た理由である。