「ほんと?ほんとに辞めないでいてくれるの?あたしと一緒に、続けてくれるの?」

あたしが情けない顔で聞くと、麻美も涙でグチャグチャになった顔で力強くうなずいてくれた。
あたしは麻美に抱き着いて更に泣き続ける。

「ねえ、お取込み中のところ申し訳ないけどさ、あたし達も一緒に頑張るんだからね!!」

眞子が微笑みながらそう言ってくれた。
あたしと麻美はヒドイ顔で何度も眞子にうなずき返す。

「ちょっとちょっと、さすがに汚すぎだから!」

妙子がティッシュを何枚かとってくれ渡してくれた。

「お願いだから、そのまま外へ出ないでよ。通報されるから」

あたし達は妙子のその言葉に思いっきり笑った。

新しい営業所で、新しい班として再スタートを切る。
なんて気持ちがいいんだろう。
あたしは未来への希望で胸がいっぱいになっていた。

あたし達は四人揃って新しい営業所に異動すると、支社長にも報告した。
支社長はあたし達が出した結論をとても喜んでくれた。

そして眞子をマネージャーとして誕生する班を、絶対に盛り立てて行くんだと熱い決意がみなぎっていた。

残り一週間ほどで藤堂も退職する。
これでもう、あたしにとっての苦悩の種はなくなるんだ。

同じ志の者たちと高い目標を掲げて進んでいけるんだ。

あたしは生まれ変わったような気持ちで、これから始まるであろう新たな班としての仕事に闘志を燃やしていた。