「時田くんの気持ちはわかった。あとの皆も来月中旬くらいまでには結論を出してくれないだろうか。それまで待ってるから。
時田くんも今完全に決めないで、もう少し考えてみて欲しい。それで所長には言いにくいだろうから、私に直接話して下さい」

支社長はそれだけ言うと伝票を持って立ち上がる。

「じゃあ、私はこれで失礼するよ」

あたし達はいったん立ち上がり、支社長に深くお辞儀をした。
ため息と共に座ると嫌な沈黙が全員を包む。

あたしは麻美に言った。

「麻美、本気なの?本気で辞めるつもり?」

「うん…。なんかもう、疲れちゃった…。こんなのやってられないもん。日比谷さん、雲居さん、色々よくしてもらったのにごめんなさい…」

眞子も妙子も首を振った。
でも、麻美を引き留めようとはしてくれない。

「麻美、あたしはどうなんのよ!アンタと一緒にこれまでも頑張ってきたのに!一人じゃ無理だよ…」

「大丈夫、尚美なら一人でもやれるよ。日比谷さんも雲居さんもいてくれるんだからね…」

あたしは下を向いて、涙を流した…。

「じゃあ…あたしも…辞める…」