作戦決行日がやってきた。

あたしは朝からなんだかワクワクしていた。
まるで遠足に行くみたいな気分だった。
遠足というのはたとえが悪いが…、それくらい逆に楽しみだったのだ。

藤堂は相変わらず毎日のようにあたし達に発破をかけてきたが、適当にあしらっていた。
かといって急に言う事を聞くとかえって怪しまれるから、適当に逆らっていたというのが正しいが…。

そして眞子が予定通り委員会に出席するために営業所を早めに出る。
あたし達もそれぞれ行先ボードに適当な行先を書いて、自分の車に乗り支社のあるＭ市へ向かった。

コインパーキングに駐車して、支社ビルの近くの喫茶店で眞子からの連絡を待つ。
緊張しているのか、全員口数が少なかった。
いつもは機関銃のような妙子さえ、あまり口を開かない…。
麻美にいたってはオドオドして、まるで蛇に睨まれた蛙だ。

「麻美…。みんなが一緒なんだから大丈夫。ビビる事ないよ」

あたしの言葉に妙子もうなずく。

「そうだよ。眞子を信じて、待とう…」

会議が終わるのは、予定通りならもうすぐだ…。
早まる事はないだろうけど、押したとしてもあと一時間もかからないはずだ。