やはり一番の不安要素は保険料が高くなる事のようだった。

当たり前だが、誰もが一番気になるのが保険料。
ただ、保障の内容やプランによってはバカ高い保険料になるものばかりではない。
まずは彼女の家族のライフスタイルに適した保険を探す為に、シュミレーションをしてみてはどうかと提案する。

家族の性別と生年月日、ご主人の年収など、少しセンシティヴな個人情報を提供してもらう事になるが、それが嫌でなければ一度プランを作らせてもらえないかとお願いしてみた。

「でも、入るとは言い切れませんよ…。あくまでも参考程度になら…」

彼女は麻美とあたしに向かってそう言った。
こんな事はいつも言われる事なので、あたしも麻美も慣れっこだ。

麻美はニコニコしながら、「もちろん、見てくれるだけでいいよ」と返事をした。
彼女から家族の情報を提供してもらい、次回のアポをとって失礼した。

次の人のアポまでの時間を利用して営業所へ戻り、一人ずつにあてがわれた専用のパソコンでプランを作ってみる。
あたしと麻美は一番ニーズに合ったプランを検討しながら三パターンほど作成した。