証券を麻美と二人で確認する。

これは…家族型といって結構昔に販売していた商品だ…。
もちろんうちの会社のではなく他社のだけど…。

うちも昔、この家族型という商品を主力商品として取り扱っていた。
家族で入れるこの保険は個人でかけるより保険料が安いのが特徴で、子供が何人いても保険料は変わらない。
通常大黒柱である夫が契約者となり、配偶者、子供が加入するが、子供が増えても保険料は据え置かれる。

手続きも個人で加入する場合は書類など契約者が必ず記入しなければならなかったりして面倒だが、これだと夫だけが記入すればいいので簡単なのだ。

魅力はそこだけど、当然デメリットもある。

まず、離婚した場合配偶者の契約は継続できない。
しかも、この人の場合は主たるご主人の保障より配偶者と子供については八割の保障しかされていない。

じゃあ、ダンナと別れた時に奥さんだけ新たに入ればいいじゃない、と思うかもしれないが…。
生命保険は契約時の年齢で保険料が決まるから、若いうちに加入する方がお得。
ある程度年をとってから新規加入しようと思うと保険料がどうしても高くなる。

それに健康告知が必要な分なら、加齢と共に病気のリスクが上がり、最悪加入できないケースもある。
一生涯の保障をと考えていれば個別に早めの加入がお勧めなのだ。

そう言った事を話してみると、彼女も「うーん…。なるほどね…。そうなんだ…」と言って考え出した。