眞子の家は本当に近くて、十分ほどで着いた。

「とにかく入って」と言う眞子について家にあがった。

リビングに通され、ソファにみんなが座ったところで眞子が切り出した。

「飯田さん、時田さん。さっきのマネージャーの話聞いてどう思った?」

あたしは麻美の顔をチラッと見るがとっさに目をそらした。
多分麻美はあたしに言って欲しいんだ、と察したあたしは眞子に言った。

「どうもこうもないです。あんなバカげた事はできません、絶対に」

キッパリと言い切ったあたしを見て、眞子と妙子の二人がクスッと笑う。

「飯田さんなら、そう言うと思ったよ。あたしも妙子も、同じ気持ち。絶対にマネージャーの言う通りになんかしない。あんな邪道な事をしたら人として地に堕ちるからね。でも、きちんと成績は挙げる。何がなんでもやるしかない」

眞子は笑顔であたしにそう言った。

「そうですよね…。契約さえ取れば文句ないんですもんね。あんなやり方で契約取らなくても、要は取ればいいわけなんだから…」

「そうだよ。だからお互い情報共有して、死にもの狂いで動くしかない」

あたしは眞子の意見に賛同し、新しく得た情報をお互いに交換しながら、一日にまわれる限りのところをまわろうと約束した。