それにしても今日は色んな事があってやっぱ疲れたわ…。

あたしは帰る前に車で再び一服する。

でも今日の祐実の指摘にはほんと、焦ったな…。
吸いたくてたまらない時に一本で済むわきゃないもんね。
あんな不自然な言い訳でもとりあえず通ったからよかったけど。

なんか氷メガネの変な姿見ちゃったら、あたしも調子狂っちゃったみたい…。
こういう日は早く寝るに限る!

また明日からみっちり難しい事たたきこまれるんだから。
今日はとにかく早く帰って寝よう。

あたしはタバコをもみ消しエンジンをかけた。

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翌日からも変わらず勉強で一日が終わる。

そんな毎日を繰り返して一週間経った日、研修に行く前に営業所に寄ると所長に呼ばれた。

「飯田さん。ちょっとこっちへ」

「…はい…、何でしょうか?」

「ジャーン!」

所長はまるで子供みたいに満面の笑顔で、あたしにA4サイズの紙を見せた。

あたしは内容が見える所まで近づいた。
それはこの前の試験の結果が書かれたものだった。

『飯田尚美 100点/100点 合格』

「おめでとう!満点合格です!」

所長は嬉しそうにそう言った。