すると奈津子がおちゃらけ気味に言った。

「あたしなんか、見直ししてませんよ～。すごく迷っちゃって。最初の問題を見直ししたら、間違ってるような気がしたんですよ。それで直そうかどうしようかって迷ったあげく、やめました」

「そうか、それで結構早く部屋出て行ってたんだね」

祐実が納得したように言った。

「でも、尚美ちゃん、すごく早く出たよね？とっくにできてたんだ！」

富美子にそう言われ、あたしはちょっと恥ずかしくなった。

「ごめんね、お先に一人でお茶しに来たりして。もうタバコが吸いたくて吸いたくてどうしようもなくってね」

「あ！あたしもタバコ吸いたかったんですよぉ～」

奈津子が言った。
祐実も吸いたかったらしいが、彼女も結構ギリギリまで会場にいたらしい。

奈津子が続ける。

「尚美さんが先に出たから、絶対喫煙所にいるだろうと思って探したんですよ。でも、あのビル全然そんな所なかったじゃないですか～。で、尚美さんも見当たらなくて、誰も知らないって言うし…。仕方なく、廊下でずっと待ってたんですよ～」

「ごめん、ごめん！尚美ちゃんから最初に来たメールに、気づかなくてね～！カフェに行った事、教えてあげられなかった～！」

富美子が奈津子に謝った。