その後会は滞りなく進み無事にお開きとなった。

あたしは主役である富美子のお株を奪ってしまったような気がしてなんとなく気まずかった。
結果的にあたし達も主役のようになっていたから仕方がないのかもしれないけど…。

帰って行く招待客を一人一人見送る。

あたしは案の定、同期三人と眞子と妙子に、また一席設けるからね、と含み笑いで言われて顔面蒼白になった。

でも一体どこで聞き耳を立てていたのだろうか、すかさず敏生が

「その時は私も是非、同席させて下さい。I第二営業所マネージャー、日比谷眞子さん、同営業所特別主任、雲居妙子さん、同営業所、中本恭子さん、I営業所、田代奈津子さん、そしてY営業所、志賀祐実さん」

と、冷ややかな視線を送りながら言った。

敏生の言葉が再び皆を凍らせ、あたしは居たたまれない思いでその場で皆に頭を下げた。

皆が帰った後、鈴木シェフのはからいにより別室で休憩を取った。
あたしが富美子に謝ろうとすると富美子の方からあたしに謝ってきた。

「尚美ちゃん、ごめん!!寝耳に水でビックリしたでしょ?ほんとにごめんね!」

水谷さんが慌てて富美子をかばう。

「違うんですよ、飯田さん…。僕が富美子に頼んだんです。富美子は僕の頼みを断れなかっただけなので…。どうか許してやって下さい」